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2020/04/04

非常事態宣言を出しましょう!早期決定的に対策打って早期収拾を!

<都心の緊張感のなさにビックリ>
用があって本日4月4日土曜の都心部へ。車窓から見た光景はいつもの年の春うららと同じであることにびっくりしました。土曜の都心部、春らしい陽光の中、やや少ないながらいつもと変わらぬ土曜を過ごす街角の人々。散歩する人、ジョギングする人、遊具をもって公園へ急ぐ子供連れ、・・・。アレ?外出自粛って言ってなかった?
いやぁー、あまりにコロナ関連のマスコミの喧伝とかけ離れた街角の風景に、当初は驚き、後でじわじわと怖くなりました。いかん・・・・、これはそのうちパンデミックになるな、と。
自粛疲れ?ストレス?だからこのくらい仕方ないの?いやいや、これは緊張感がなさすぎる。あとでとても痛いしっぺ返しを食らいます。

<安倍さん、非常事態宣言を出しましょう>
私はこれまで「『非常事態宣言』を出すのは時期尚早。しっかりと外出自粛、テレワーク推奨、国民の自覚に基づく自己規制で大丈夫だ。乗り切れる!」なんて思っていましたが、方針変更します。
安倍さん、非常事態宣言を出しましょう。 
掛け声だけではほとんどの国民や企業がが「自制」モードに入れないまま。私も、平日ほとんどいつもと変わらぬ通勤、勤務を繰り返しています。確かに、通勤電車の人混みは減っています。みんなマスクをし、手洗いに気をつけてはいます。自分もそうだし、周囲の人も気をつけてはいます。テレワークもある程度進んでいるのでしょう。しかし、結局のところ、ほぼ客が少ないだけでほとんどの企業はほぼ通常の営業をしているんでしょ。関連企業に電話かけて、お宅はどうです?なんてお互いの歩調を合わせて。でも、果断な処置に踏み切れないまま。何となく時間が解決してくれるんじゃないの?と期待しながら・・・。
ここは、何か強烈なキッカケとなる契機、「ありゃー出ちゃったか、それなら仕方ないな」という引き金が必要なんですよ。小池都知事が政府に呼びかけていたのも、それですよ。
非常事態宣言を出して、首相自ら国民にテレビで呼びかけるべきです。
イタリアや米国のようになってから手を打っても遅い。火事はボヤなら近所の人のバケツリレーで止まるけど、火が回り始めてしまったらもはや消防車が何台来ても消せません。知ってます?あれって今燃えている家の火を消してるのではなくて、近所に更なる延焼が及ばないようにしているだけで、今燃えている家は燃え尽きるまでどうしようもないんですよ。
コロナも同じ。やるならまだ火がボヤのうちに、早期に決定的な対策をガツンとかまして初期消火しないと。
勿論、非常事態宣言を出しても法的拘束力がどうのこうの言う人々や、非常事態宣言の人権的危険性を訴える人々がいますよ。この際、リベラルな人々との不毛な議論は捨ておきましょう。実効性のあるリーダーシップ、国民への呼びかけが必要です。

そう思うようになったのは以下のニュースです。ご参考まで

<在韓米軍司令官が韓国の感染拡大期に在韓米軍内でコロナを封じこめた話>
VOA記事2020年4月3日付「In South Korea, How US General Contained COVID-19」という記事(下の写真も同記事から)で、在韓米軍司令官が、韓国内でのコロナ蔓延に際して、早期かつ決定的な処置を在韓米軍内で決然と実施して、17名のみの感染で封じこめた話が載っていました。素晴らしい。
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在韓米軍司令官ロバート・エイブラムス大将(Incoming commander, Gen. Robert Abrams attends during a change-of-command ceremony for the United Nations Command, Combined Forces Command, and United States Forces Korea at Camp Humphreys.)

何が素晴らしいって、司令官の言葉「“Go hard, go early.”」ですよ。
韓国内では、初期に32名の感染者が確認された際、まだ韓国の国民一般にさほどの緊張感はありませんでした。このうちの1名が、自覚なく宗教団体の集団礼拝に行って事態は急変。一機に韓国内で感染者が爆発し、日々倍々に感染者が増えました。その増え始めの頃、海外にいる米国民の集団として、在韓米軍は初めてコロナ禍の洗礼を浴びました。ここで司令官は、「まだ早いのでは?」という周囲の声を捨ておいて、在韓米軍のステージを「公衆衛生の緊急事態」に上げ、米軍基地内の交通をストップ、米軍基地内のスーパーも入場を100名までに制限、米軍基地に出入りする韓国人現地雇労働者に休暇とし入門させず、ロックダウン状態に。しかし、その一方、在韓米軍の存在価値でもある、軍隊としての機能を維持できるよう、作戦遂行能力は落とさずに任務を遂行。例えば、航空機のパイロットや整備員は、平素のローテーションから、小チーム化したグループで管理し、仮に感染者が出ても、その小チームだけが数週間の安静待機をするだけで、他のチームがオペレーションを遂行できる態勢を維持しました。結果的に、米軍基地内で感染拡大を抑止し、封じ込めに成功。しかし、今でも気を緩めず、ゼロにするまで努力を続けるとのこと。これぞ、素晴らしいリーダーシップ。・・・このリーダーシップが今、日本にも求められています。

(了)

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2020/03/31

ロックダウン?否、日本人なら「自粛」で乗り切れる!

2020年3月30日(月)20時半過ぎに東京都知事が記者会見。
「4月1日から都がロックダウンする!」との噂が出まわっていましたが、どうやらデマのようで皆さん胸をなで下ろしていることと存じます。
とはいえ、東京はじめ首都圏の感染拡大抑止の状況は必ずしも良い方向には進んでおらず、まだピークを乗り越えたとは言えない状況であり、先が見えていませんね。志村けんさんのご逝去のニュースはショッキングでしたね。誰もが身近にコロナウイルスの脅威を肌で感じのではないでしょうか。数%の死亡率とは言え、志村さんのようについ先日までTVで元気な姿を見せていた方が、わずか数時間・数日のうちに病状が急に重篤になって亡くなるという現実を、まざまざと知ったのではないでしょうか。
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志村けんさんご逝去のニュース A man wearing a protective face mask walks past in front of a huge screen reporting death of Japanese comedian Ken Shimura, who died after being infected with the new coronavirus, in Osaka, western Japan March 30, 2020.(VOA記事2020年3月30日付「Popular Japanese Comedian Dies from Coronavirus」より)

 
TVのニュースで見るような欧米の「ロックダウン」が日本の首都圏でありうるとすれば、感染拡大阻止のための切り札ではあり、効き目はありますが最後の手段でもあります。予防的に早めにやるというよりは、もはや最悪の事態(パンデミックによる日本全体への蔓延、大量の死亡者、社会秩序の崩壊など)を避けるための、都市や国家として取り得る最後の手段です。そして、これは「諸刃の剣」であって、感染拡大阻止にも効く代わりに経済には大打撃。短くても数週間続くわけですから、日本にとって経済的に立ち直れない程の打撃になります。

まだ、日本はロックダウンという切り札を切るところまでの感染拡大ではないので、安倍首相や小池都知事が言うように、「ギリギリの重大局面」と認識して、ここを踏ん張ることが肝心です。
特に、日本の場合、ロックダウンという切り札は切らず、むしろ韓国型の自粛要請・勧告のより強力な推進でいく方向性の方が、国民性にもあっているのではないかと思われます。(韓国型の対策は後述部分をご参照ください。)日々の感染者数がこのまま増加の一途をたどる場合、また都知事が記者会見にてより強力な自粛要請をしてくるでしょう。都が近隣の県と共に「外出自粛」を求める方向はますます強まると思います。
よく、「日本はロックダウンは法制度上できない。強制力がない要請しかできない。」という人がいますが、それも非常事態における日本人の考えや行動を分かっていないと思います。確かに、日本は法制度上欧米のような強制力のある措置はできず、どっちみち要請がベースになります。しかし、日本人の素晴らしいところは、いざという時の協調性、危機に瀕しても利己的にならず周囲に配慮し、思いやりをもって自らを自制する国民性があるところです。東日本大震災でも随所で見られました。社会がコロナ禍で危機に信している状況では、首長が要請すると企業も個人も、その社会的責任をそれなりに自覚して、社会全体の求めに強調し、配慮をする国民なんですよ。私は日本人の国民性を信じています。

そこでご参考まで、 「韓国の例」です。(参照: 「韓国の大邱市はロックダウンにならなかったのになぜ東京が?東京と
大邱の比較!」( https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200328-00170137/ )より)

日本の場合、欧米のようにいざとなったら国家が市民を統制できる権限を有する国ではなく、統制せずとも「自粛」という極めて日本人的な社会全体への「忖度」「配慮」を重んじ、かつそれが機能する国なので、むしろ韓国の例が参考になると思います。
韓国は3月29日(日)現在で、前日比で105名増、累計で9,583名。世界で10番目。この韓国で最も感染者が拡大したのが大邱市。韓国の感染者の7割方を占める(3月27日の数字で6,516名)で、東京都の約21倍。死亡者(96名)も東京(5名)の約19倍。日本全体の国内感染者(1,467名)の約4.4倍。(ちなみに新興宗教団体「新天地イエス教会」で発生した集団感染がまさにこの大邱市)
 ・・・にも拘らず、韓国は国家としても都市としてロックダウンはしませんでした。最も感染大な大邱市も自粛で乗り切ています。端的には、空港、駅等の閉鎖など公共交通機関を止めておらず、主要幹道を物理的に止めておらず、警察が取り締まるなどの都市間の封鎖を行っておりません。

韓国の大邱市がとった処置及び市民に求めた規則はびっくりするような奇策ではなく、むしろ当たり前のことを当たり前のようにしっかりとやった、ということです。韓国人の真面目さ、協調性、危機に際した団結や自制心に心から拍手です。日本人も必ずできると思う所以です。
 
○ 大邱市がとった処置: 
 ・ 日常生活でのマスクの着用(2月18日)
 ・ 幼稚園の休園
 ・ 全ての集会の禁止
 ・ 新学期開校の2週間延長
 ・ 不要不急の外出の自制
 ・ クラブなど社交場やカラオケ店への営業自制の勧告
 ・ 自制しない場合の行政命令による集会や集合の禁止措置
 ・ 教会に対する4月5日までの礼拝中断
 ・ スポーツジム、映画館、小劇場に対する4月5日までの休業勧告、等

○ 大邱市が市民に求めた規則
 1.外出と移動は最小化し、集会はしばらく自粛する。
   ※ 宗教行事以外にもカラオケ、インターネットカッフェなど人が密集する営業店の運営を3月28日まで中断する。
 2.手洗いなどの個人衛生を徹底させ、食事の際のルールを順守する。
   ※ 手洗いと人との距離を2メートル空け、少し離れて食事をし、対話も少なくし、相手との間隔を空けるよう努める。
 3.症状がある場合は出退勤をせずに至急1339(疾病管理本部)もしくは保健所に電話する。
 4.完治者も隔離解除者も健康状態をチェックし、社会的距離を開けることに積極的に協力する。
 5.心理的距離は縮め、お互い安否を確認する。
   ※ 電話やメール、SNSなどで連絡を取る。

いかがですか?当たり前のことですよね。日本人なら自らの判断と努力で、「自粛」で乗り切れます。ロックダウンなんかより経済的にもまだ傷は小。日本人のど根性を見せましょう。                         

(了)

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2020/03/28

ロックダウンとは?: 英国の例

ロックダウンとは?: 英国の例

いよいよ東京はじめ首都圏エリアにとってコロナ禍が直面する脅威となってきました。各自の判断と努力で「外出自粛」し、感染拡大に歯止めがかかれば何よりです。ここで歯止めがかからず、首都圏や国全体として日々感染者が倍増していく状態になるともはやパンデミック。非常事態宣言となると、ニュースで見る諸外国のロックダウン(封鎖)になります。ロックダウンとは一体どんな状況でしょうか?
日本と人口、都市の成り立ち、生活様式が似ている英国の例を見てみました。
つくづく、日本でロックダウンが必要な状況になることがないようにしたいですね。
我々一人一人の自覚で乗り越えましょう。

<英国のロックダウン: STAY AT HOME「自宅にいること」>
英国ITV News 2020年3月25日付「Explained in 90 seconds: What you can and can't do during the UK coronavirus lockdown」より

・ 政府は、国民に対して、少なくとも4月13日までの間は自宅にいるよう命令を出した。
・ 家を離れることが許されるのは、次の4項目の場合にのみ。
 ① 必需品の買い物(但し最小限に)
 ② 1日1回の運動(自身のみか家族と) (※犬の散歩は1日1回の運動の時に)
 ③ 医療の必要な場合、又は重症化しやすい方への援助
 ④ 在宅勤務できない場合の職場への往復
  これらの事由で外出する際は、必ず他人との間隔は2mを維持し、帰宅次第速やかに温水と石鹸にて20秒以上の手洗いをすること。
・ 必須でない店舗や公共施設等は閉鎖中である。
・ 居住を共にしていない2名以上が集まる集会は禁止。これに従わない場合、警察は罰金を科す。
・ 隔離されている場合、自宅やアパートから外出してはならない。
・ 重症化しやすい方々は12週間以上にわたり遮蔽された状態でなければならない。
 
<開店している店、閉店している店、等>
(参照: 英国ガーディアン紙2020年3月25日付記事「UK coronavirus lockdown: what you can and cannot do」より)

・ 英国は現在ロックダウン中。必須の業務以外は閉鎖となっている。3月23日(月)夜のジョンソン首相のロックダウン宣言以降、我々は何ができ何はできないか?、必須の業務・必須でない業務とは?などについて以下を参照されたい。
・ ロックダウンの期間は?: 少なくとも3週間
・ 営業しているのは?:  公園、食品点、スーパー、健康食品店、薬局、ガソリンスタンド、ペットショップ、自転車店、ホームセンター、クリーニング店、レンタカー店、街角の小店舗、酒類販売店、新聞販売店、郵便局、銀行
・営業できず閉店するよう命じられるのは?: レストランやカフェ(但し、配達、持ち帰りは可能)、職場の食堂(病院、療養所、学校、刑務所、軍隊、ホームレスへの食事配給業務等については例外)、パブ・ナイトクラブ(ホテル内やメンバーズクラブも含む)、理髪店・美容室、ピアス・刺青店、マッサージ店、オークション店、車両展示店、トレーラーハウス駐車場(商用のものであって常住者のものを除く)、図書館、児童公園、野外運動場、必需品以外の物(衣類、家電)の販売店、コミニティーセンター、青少年センター、(ホームレスへの福祉サービスを除く)、教会・モスク等の宗教的礼拝施設(個別の礼拝や葬祭〈各自間隔2mを維持〉及び生放送礼拝を除く)、映画館、博物館、美術館、ビンゴ会場、カジノ等賭博施設、温泉施設、スケートリンク、体育館、プール、刑務所のビジターセンター、

(了)

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2020/03/21

コロナ禍の裏にロシアのフェイクニュース作戦?

 3月16日(月)、欧州連合(EU)が「ロシアが西側のメディアに対して意図的な偽情報を流し、西側特に欧州諸国の連携対応を阻害、パンデミック対応にパニックを画策し、状況を悪化させている」との報告を発表しています。今やコロナ禍、欧州でも米国でも外出禁止令がでるような状況ですが、この感染拡大や国内のパニック的な状況の一因はロシアなのかも…というお話です。
(参照: VOA記事2020年3月20日付「Analysts: Russia Using Virus Crisis to Sow Discord in West 」(下の写真も同記事より))
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プーチン露大統領とマクロン仏大統領(FILE - French President Emmanuel Macron,right,and Russian President Vladimir Putin at the Elysee Palace in Paris,Dec. 9,2019.)

<状況>
① 2020年3月16日(月)、欧州連合(EU)の外務省に相当する欧州対外行動局(※)は、「ロシアが西側のメディアに対して意図的な偽情報を流して状況を悪化させている」との報告を発表。報告によれば、ロシア政府は、英語、仏語、独語、イタリア語、スペイン語等の西側言語で各種メディアを通じて、コロナウイルス対応に追われる西側諸国に対し、様々な悪意のある偽情報を流し、西側諸国の感染症対策における連携を阻害している、とのこと。1月下旬以降で80回を越えるフェイクニュースを流し、この中には「コロナウイルスは米軍の生物兵器だ!」という偽情報も含まれる。
  同報告では、裏にロシアの陰謀あり、と声高に指摘している。「クレムリンの狙いは、こうした偽情報で西側欧州諸国の連携対応を阻害することにより、パンデミックを助長し、西側諸国の公共衛生の危機的状況に悪化させて、西側諸国の結束を瓦解させることを画策すること。これらはクレムリンの戦略の一環である。」とのこと。
(※筆者注: 欧州対外行動局(the European External Action Service)は、欧州連合の外交機関。欧州連合の外交・安全保障政策をはじめ欧州連合の外交代表として機能。)

② これに対し、ロシアは真向否定。ロシア政府のスポークスマンは、「具体性のない一方的な反ロシア思考に過ぎない」と反論。実際、ロシアはコロナウイルス感染者は200名しかおらず死亡者はゼロ。一方、欧州は感染者8万名で死亡者は3500名にも上る。ロシアは、この欧州に比しての自国の感染の低さが自慢であり、プーチン大統領の主導するロシア政府の感染症予防・拡大阻止政策が適切であると自画自賛する所以でもある。
  しかし、欧州のロシア専門家の分析では、これらはロシアの、米国とEU及びNATOの結束力を断ち切ることを狙うロシアの戦略、と見る。プーチンは、冷戦後の欧州情勢が「欧州に取り囲まれるロシア」という構図になっており、これを突き崩す欧州の新しい親ロシア的な戦略環境を構築したい、と願っている。プーチンはあらゆる機会にそうした手を打とうと狙っており、好機を今回のコロナ禍はまさにチャンスであり、様々なフェイクニュースを打って、欧州諸国と米国の結束を崩そうと画策している、と見ている。

③ 米国のロシア専門家ノースカロライナ大学のクラウス・ラレス教授の見方も同様。同氏によれば、2016年の米大統領選挙にてロシアからの様々な選挙への干渉(トランプ勝利を画策したと言われる)を受けたので、今回の2020年選挙も警戒している。2019年12月、仏のエリゼ宮でのマクロン仏大統領とプーチン露大統領との会談において、マクロン大統領はロシアのスプートニク・ニュース社とRTテレビが欧州の結束を揺るがすフェイクニュースを発信することについて苦情を述べたという。また、1973年のオイルショック及び2008年の世界的な金融危機の際に、ロシアは欧州の結束を弱体化するためにあらゆる機会手段を通じて手を打ったという。よって、今回のコロナ禍の最中にロシアがフェイクニュース攻勢をかけてきても何の不思議もない、とのこと。こうしたフェイクニュースの惑わされず、特に、コロナ禍で喘ぐ欧州がフェイクニュースに引っかかって、マスクや人工呼吸器の取り合いになって医療破綻しないよう警告している。

<私見ながら>
○ トランプさんが「フェイクニュース」という言葉を使って以来、皆さんこの言葉を使いますが、国家がフェイクニュースを使ってある国に対してある方向に誘導しようとする行為を、軍事的には「Information Operation情報作戦IO」と言います。
  例えば、米国の情報作戦の例として、1990年代の旧ユーゴスラビアをめぐるバルカン戦争があります。米国は、国際メディアの論調を米国の政策に有利な方向に誘導するため、メディアの記者たちに報酬を払って記事を書かせたり、米国が支援する側の敵の残虐行為を誇張し、時にヤラセまで使ってニュース映像を作り、国際的なメディアの論調を操って国際世論を誘導していました。米国だから、後でリークする者がいてこうした陰謀が明るみになりますが、ロシアではリークした裏切り者は消されますから、明るみにならないかもしれませんが。
  脱線しましたが、VOA記事の指摘の通り、ロシアがコロナ禍を好機と捉えて偽情報を乱発して世論操作し、欧州内や米国内のパンデミックのパニックを誘導しているというのは間違いないでしょうね。中国もコロナ禍を何とか乗り越えて、今や、情報作戦に参戦しているでしょう。「この非常時に何てことするんだ!」とお怒りでしょうが、これが国際政治・外交・軍事のリアリティなのです。
  しかし、このニュース、残念なのは具体的なフェイクニュースの例と、それによる欧州や米国の混乱ぶりが例示してあれば非常に分かり易いのに、・・・残念!

(了)

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2020/03/18

トランプ「中国ウイルス」発言: 米中非難の応酬

トランプ「中国ウイルス」発言: 米中非難の応酬

3月17日付のトランプ米大統領のツイートでChinese virus =「中国ウイルス」という発言があり、中国側から直ぐに反発がありました。
(参照: VOA記事2020年3月17日付「China Objects to Trump’s ‘Chinese Virus’ Tweet」(下の写真も同記事から))
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2月26日の米国議会のコロナ関連小委員会にて証言するCDC長官ロバート・レッドフィールド博士(Centers for Disease Control and Prevention Director Robert Redfield testifies before the House Commerce subcommittee on Capitol Hill in Washington, Feb. 26, 2020, during a hearing on the budget and coronavirus.)

<状況>
①トランプ米大統領は、3月17日付のツイートにて、以下のようにコメント。
The United States will be powerfully supporting those industries, like Airlines and others, that are particularly affected by the Chinese Virus. We will be stronger than ever before!
新型コロナウイルスを「Chinese Virus=中国ウイルス」と表現したことが注目を集めている。
②中国外務省のスポークスマンは、同日、これに対し「中国の名誉を毀損している」と猛烈に反発。
③こうした通称や別称の使用については、関係者から苦言が呈されていた。米国疾病予防センター(CDC)長は、2月26日の「WHOが命名したCOVID-17という名称を使うべきであって、こうした別称を使用するのは間違っているし名誉を毀損することになる。」と米国議会のコロナ関連予算を審議する小委員会にて証言。また、WHOのテドロス委員長も同様の発言。
④先週3月12日(木)、中国外務省のスポークスマンがツイートの中で、コロナウイルスが中国で感染拡大する以前に米国で発症例があり、ウイルスの発祥地は米国と発言。更に、昨年米軍が武漢にウイルスを意図的に持ち込んだことが原因である旨の発言も付け加えた。米国政府は直ちに反論。ポンペイオ国務長官まで出馬して抗議した一幕があった。

<私見ながら>
◯トランプさんは以前は「Wuhan Virus=武漢ウイルス」と呼んでいたなど、確信犯で中国を揶揄している。日本において、安倍さんが同じことをしたら、内外の批判が猛威を振るって辞任に追い込まれるくらいだと思う。トランプさんの場合、もはやこの程度はご愛嬌くらいにしか受け止められないのが羨ましいところです。徳なキャラクターですね。恐らく、トランプさんはツイッターというメディアの軽さを逆手に取って、ワザと気軽に意図的な失言しているのでしょう。からかっているのかもしれません。しかし、こうした一見大統領としての自覚のない、軽はずみな暴言や失言が米国内のかなり多くのサイレントマジョリティの声なき声を代弁し、「嬉しいね!さすが我等がトランプ大統領、胸がスカッとするね!」と好感度を上げていることも事実です。他国から見ると信じられない事ですが、大統領選挙のある年ですから再選に向けたトランプさんの選挙キャンペーンの一環かもしれません。

◯最近、中国政府と米国政府の間で、上記のような話が他にもあり、子供のケンカ的な言い争いが起きています。前述の状況④で触れた米軍が武漢にウイルスを持ち込んだという話、荒唐無稽にも程があります。今日の米国社会では、もしそうした生物兵器テロのような工作を米軍が実施していたとしたら、必ず数年後にリークされ、事態が暴露され、それを命じた当時の政府の指導者が世間の指弾を浴びることは間違いありません。いくら何でも米軍による生物兵器攻撃説はありませんね。そもそも、どう言い訳しようが、今回のコロナウイルス発祥の地は中国武漢でしょう。中国政府はこれを公式には否定しており、最近では、事あるごとに「どこか他国で発祥し、それが中国にもウイルスが持ち込まれたのであって、中国は被害者なのだ。」というキャンペーン中です。感染拡大当初は武漢の市場が発祥の地であると認めていたのですが、.....。この辺が、国家として、否、経済大国としての自覚の低さなんでしょうね。

◯両国ともに、くだらない非難の応酬は程々にして、むしろ世界のリーダーとして、対コロナウイルスの戦いでリーダーシップを発揮してもらいたいですね。中国は、一応コロナ禍を乗り越えた(本当なのか不明なところも残りますが)訳で、症例のデータやノウハウがあるはず。
米国は、進んだ感染症対策の知見を国内の大学や研究機関に持ち、実績と実効性のあるCDCという機関を国家として擁している訳ですから。両者が対コロナウイルスで協調関係を発揮すれば、世界に範を示せると思います。.....しかし、ダメでしょうね。この調子では。

(了)

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