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2023/11/25

ガザ停戦・人質解放の行方:停戦は数日で終わりイスラエルは攻撃を再開する

231125人質解放
(画像: 2023年11月25日付NHKニュースより)

 ガザ紛争は、束の間の停戦・人質解放でほっと一息の状況ですが、私見ながら、これで紛争のピリオドは打てず、数日の停戦の後、再び両者は決裂しイスラエルは攻撃を再開し、掃討作戦を益々エスカレート、苛烈を極める惨状が続くものと推察します。第1弾の停戦・人質解放に続き、数日の停戦・人質解放が数回反復されるものと思われますが、イスラエルは国際世論や米国等の圧力に妥協することなく、ガザのハマスの徹底的な掃討を続行すると推察します。

束の間の停戦・人質解放
 2023年11月22日、イスラエルとハマスは国際的な仲介の下で23日から4日間の人道的戦闘停止、人質50人の解放(ただし解放は毎日10名すつ)に合意しました。停戦は大きな混乱なく履行され、カタール外務省報道官の発表によれば23日~24日にイスラエル人13名(高齢者、子供、女性など。複数国籍を持つ人を含む)、タイ人10名、フィリピン人1名()の人質が解放され、交換にイスラエルの刑務所に拘留されていた39名のパレスチナ人が解放されました。この停戦の間、滞っていた人道支援物資のガザ地区への補給が行われ、危機的状況と言われたガザ地区の人道状況が緩和されることが期待されています。束の間の停戦・人質解放に沸く双方の市民の姿が報道映像で見られます。
 なお、この一時的な休戦の間には、イスラエル軍のガザ侵攻部隊はそのままガザ地区内の陣地に駐留しますが軍事行動や拘束・逮捕等の治安行動も一切停止、無人機も航空機もガザ上空を飛ばない、一方のハマス等武装勢力も一切の攻撃はしないことになっています。この間にガザ地区への補給車両の往来が再開されますが、この間でハマス等武装勢力に対する武器・弾薬等の再補給があってはならないため、補給車両の積み荷のチェックは行われます。
(参照: 2023年11月25日付NHKニュース、同日付BBC記事「Israel hostages: Freed women and child helped out of ambulance」、「Israel releases 39 Palestinian prisoners from Israeli prisons」、2023年11月22日付ISW記事「Iran Update, November 22, 2023」、 ほか)

停戦は数日で終了し、イスラエルは苛烈な攻撃を再開するだろう
 人質解放に沸くイスラエル市民及びイスラエルの刑務所に拘束されていたパレスチナ人の解放に沸くパレスチナ市民の映像や、束の間の停戦を「このままずっと」と願う思いは募りますが、かと言って、このまま戦闘が終了するとか停戦期間の延長とか、よりドラスティックな両者の交渉の進展などが期待できるか?というと、国際紛争の現実はそう甘いものではありません。私見ながら、今回の停戦・人質解放第1弾は当初の期日通りで一旦終了し、イスラエルは再びガザ掃討作戦の攻撃を開始するでしょう。しかも、むしろイスラエルの掃討作戦はこれまで以上に苛烈になるでしょう。停戦間で身を潜めていたハマスの活動が活発化し、ハマスはじめ武装勢力の幹部や戦闘員や武器・弾薬含む物資の移動、或いは人質の移動などが行われるでしょうから、イスラエルにとっては格好の偵察活動の時期です。この期間に更にハマス等武装勢力の拠点や武器弾薬拠点と思われるポイントを見つけるでしょう。よって、停戦後にそこを狙い撃ちにした空爆が苛烈に行われ、地上攻撃もトンネルや拠点潰しに拍車がかかるでしょう。このイスラエルの攻撃開始により、停戦間の束の間の雪解けムードだった国際世論は一挙に吹き飛ばされます。イスラエルに対する国際的な批判は更に高まるでしょう。
 
 他方、それは私の読みであって、専門家の方で、今後イスラエルは妥協的になっていくと読む向きがあります。11月24日付NHKニュース「イスラエル、ハマスと人質解放・戦闘休止で合意なぜ?停戦は?」にて、大阪大学の辻田俊哉准教授は、ガザ侵攻継続の莫大な経済的負担、36万人ものイスラエル史上でも中東戦争後最大の予備役動員をかけた状況、動員された兵士の家族の問題、ガザ地区周辺やレバノン国境からの住民避難の継続による補償の問題など、イスラエルにとって頭の痛い問題が多いことから、ハマスの主要な拠点であった北部を制圧したことから、今後イスラエル軍は段階的に動員解除するなど、国際世論も勘案しながら逐次に矛を収めていく方向と読んでいる模様です。
 少々反論すると、辻田准教授の「経済的負担などから紛争継続は長く続かないだろう」という読みは一般論であって、ことイスラエルにはその一般常識は通用しない、と私は考えています。特に、現ネタニヤフ首相に関しては、兵士の家族からのプレッシャー?住民避難の補償問題?そんなことで回れ右をするような男ではありません。経済的負担を理由にハマス討伐で妥協するなんてことはあり得ません。ネタニヤフは根っからの右翼タカ派であり、今回の10月7日のハマスの越境攻撃・イスラエル住民殺害・人質拉致拘束に対しては、復習の鬼と化しており、確信犯的に経済度外視でハマス壊滅を達成追求するものと思われます。そんな私の読みを裏打ちするエピソードとして、2023年11月23日付Newsweek記事「Israeli Minister Predicte How Long ’Intence Fighting’Will Continue」によればイスラエルのギャラント国防相は23日に前線の兵士に対して訓示し、「この戦闘はここ数ケ月は続く。ガザ地区の敵対勢力を壊滅するまで続ける。」と叱咤激励しています。また、11月22日付Newsweek記事「Israel-Hamas Ceasefire Won’t Last, Netanyahu's Ex-Adviser Claims」によれば、ネタニヤフ首相の元顧問ヤーコフ・アミドール氏は「イスラエル国民の感情として、今回のハマスの越境攻撃の1件でハマスの壊滅を熱望する声が根強く、もし今回の停戦でガザ掃討をを幕引きするようなら、この政権は終わる。」とまでコメントしています。勿論、停戦を望む声もイスラエル国内にありますが、より大多数の声として、ハマスへの怨嗟の炎は燃え滾っているようです。ネタニヤフはその支持を基盤に強気の態度を曲げないのです。 

今後の展望: イスラエルはハマスを撲滅するまでガザ侵攻をやめない、パレスチナに怨嗟は残り、両者の怨嗟の衝突は続く
 イスラエルはネタニヤフ政権である限り、ハマス壊滅が達成されるまでガザ侵攻を終了しないでしょう。出口戦略として、南部も掃討し、(表面上)ハマスは撲滅できた、と宣言し、一時的なイスラエル軍のガザ地区暫定統治の後、パレスチナ西岸地区のアッバース議長に委ねるなどの権限移譲の後、ガザ地区から完全撤退となるでしょう。これで、表面上はきれいに紛争の収束。しかし、表面上であって、地下のパレスチナ人の反イスラエル感はマグマのように熱く煮えたぎり、ハマスの看板をかけ替えて違う名の同様の過激武装勢力となって紛争の根は残るでしょうね。だって、パレスチナ人のイスラエルに対する怨嗟の感情はもうDNAレベルで記憶されるでしょう。怨嗟の情は消えませんって。従って、第2、第3のハマスの越境攻撃のようなテロ行為は続き、これに対してイスラエルが苛烈に掃討する、この怨みの連鎖は続いてしまうでしょう。


正しいことではないし、あるべきことではありません。
しかし、これが国際紛争の現実です。

(了)

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2023/11/18

ガザ紛争: ガザ掃討は第2段階に突入、長期化不可避か

イスラエル軍のシファ病院掃討の混乱と惨状により批判高まる
 イスラエル軍は、国際世論の指弾も何のその、アル・シファ病院への掃討作戦を推進。11月16日に掃討・捜索により「発見した」という、MRI棟建屋内のMRI器材の裏に隠していたという銃器や、その他施設内の随所で発見したという銃器、手榴弾、爆発物やPCや通信機材などをはじめ、「地下トンネル立杭」との説明で地面の穴などをメディアに公開しました。しかし、メディアの反応としては、西側メディアも含めて「ハマスの司令部、重要拠点」と主張していた割には、その証拠がショボ過ぎて、これでは病院を掃討した正当性について説得力がない、という懐疑的なものでした。
 その証拠のショボさも手伝って、国際世論としてはイスラエルに対する批判が高まっています。一部のイスラエル支持者を除き、西側諸国を含む世界各地で反イスラエル・親パレスチナの潮流になってきました。(2023年11月16日付日本経済新聞記事「ガザ衝突、世界でデモ拡大 パレスチナ支持8割超」、ほか)

国際世論など意に介さず、イスラエルはガザ掃討作戦を第2段階へ
 下の図は、米国の戦争研究所(ISW)の2023年11月16日付「Iran Update, November 16, 2023」を参照し、同記事に掲載された状況図に筆者の私見も含めて加筆・描画しました。上の方がイスラエル周辺を含めた全般状況、下の方がガザ北部における掃討作戦の状況、です。
231118  Israel Gaza2

スライド2

 上図の下の段(ガザ地区の状況)の右側「イスラエル軍の掃討作戦」にもありますように、イスラエルのギャラント国防相は11月16日に「ガザ市西部の占領と掃討を完了し、第2段階を開始する」と発表し、これと軌を一にして、ガザ北部の掃討の住んでいない西側部分、上図の下の段の地図中の赤色「ガザ市街」及び緑色「農耕地区」、に対する掃討を開始した模様です。また、これと同時並行的に、ガザ南部(今回の掃討作戦の南北境界の南側)の一部、ハーン・ユー二ス地区の東側の4つの集落に対してビラを空中から撒き、更に南部へ避難するよう勧告をしています。これは、イスラエル軍の掃討作戦が北部掃討のみならず南部も掃討を開始する予兆です。(参照:前掲ISW記事)

 結局のところ、イスラエルのネタニヤフ首相はガザ地区に対する長期にわたる掃討作戦・占領を企図している模様です。これは米国のバイデン大統領から何度も「長期占領はやるなよ」と釘を刺され、「そんな気はない」と答えていたことに対する裏切り行為に当たります。
 私見ながら、やり方によって短期間で済ませ、かつガザ地区をイスラエル軍が長期占領しない短期決戦の方策はあったと思っています。北部を短期で掃討し、ハマスを弱体化した上で、アッバース議長率いる現西岸地区のパレスチナ政府に西岸地区とガザ地区をハマス抜きで統治させ、それを米国はじめ西側諸国や穏健派アラブ諸国をうまくかませながら国際的に支援していく、そんな方策だって十分考えられたはずです。しかし、ネタニヤフ首相は、「そんな中途半端な撲滅の仕方ではハマスなどの反イスラエル武装勢力はやがて必ず次なる攻撃をしてくる」との猜疑心のもと、徹底的なハマス等の武装勢力の撲滅を重視したわけです。
 イスラエルの、特にネタニヤフのこれまでの政治信条や国民世論からすれば「さもありなん」な話です。イスラエルは、その何世代にもわたる永年の夢で建国した現在のイスラエルというユダヤ国家を守り抜くため、極めて戦闘的な祖国防衛思想を持っていて、何人たりともイスラエルに弓を引いた者は徹底的に撲滅し、弓を引こうとしている者に対しても予防的に奇襲攻撃で撲滅してきました。これはこれまでの現代史の事実です。ミュンヘン五輪でパレスチナゲリラにイスラエル選手団が殺害された事件の後、何十年もかかって犯人を一人一人暗殺した執念深さ、また、2000ヒトケタ年代に起きたイランの極秘核開発の際にはイスラエルによるサイバー攻撃で遠心分離機を暴走させて核開発を壊滅させた予防攻撃、更に、サダムフセイン時代のイラクや父アサド大統領時代のシリアでもイスラエルは核開発施設に対して爆撃機による外科手術的空爆(surgical airstrike)を数回やっています。そこには、じ後の正当性の説明も何もなく、黙して語らず、弓引く者に対して淡々と闇に葬る、それがイスラエルなのです。一人一人のユダヤ人はそんなに攻撃的な奴じゃなくていい奴が多いのですが、こと国防・安全保障・テロに対しては人格が激変して超タカ派になる、そんな国なのです。ですから、今回のハマスの10月7日の突然のイスラエル襲撃及び人質拉致に関して、これを首謀したハマスや武装組織の戦闘員を一人残らず撲殺するでしょう。今、その長い過程の途上なのでしょう。

展望: 南部まで掃討作戦延伸、紛争・占領の長期化か
 ですから、今後イスラエルはガザ地区南部に対する掃討作戦も開始し、いよいよ避難する場所がなくなってギューギュー詰めになったパレスチナの民間人被害は益々深刻になるでしょう。私見ながら、国際社会はさすがに一定の強制力を発揮して、恐らくは米国がイスラエルを説得し、人道回廊を設定してガザ近傍のイスラエル国内か或いはエジプト国内に難民キャンプを設定してそこに難民を避難させるのではないか、と推察します。しかし、その人道回廊はイスラエルがいろいろ制約を与えるでしょうから時間的・空間的に限定的となり、住民避難は不完全になるでしょう。また、パレスチナ住民の方も、この流れに乗らず住居に残留するでしょう。結局、住民混在下での市街地掃討戦となり、北部で見てきた形と同様、まだ住民がいる市街地にボコボコ空爆が為され、戦車が蹂躙、兵士が虱潰しに市街を一掃します。これまた、これまで以上の住民への死傷者は増大するでしょう。そして、ガザ全土を掃討し、捜索が完了するまで、相当の長期に渡りイスラエル軍はガザを占領し続けるでしょう。国際非難は高まるばかりでしょうが、イスラエルは一顧だにせす、そんな展望が考えられます。

考察: 米国の強いリーダーシップに期待するしかないか
 こうなると、この流れでは米国現政権のバイデン大統領の選挙戦は危ういですね。必ずしもバイデン大統領の責任ではないのですが、情勢がうまく行かない以上、現政権が批判の対象になります。これに乗じるトランプの高笑いが聞こえてくるようです。
 そうなると、「風が吹くと、桶屋が儲かる」という例え話のようですが、私見ながら懸念するのはウクライナ情勢。米国はじめ西側諸国のウクライナ支援は滞りがちになることを強く懸念します。そうなるとロシアのウクライナ侵攻はロシアが勢いを巻き返していくでしょう。
 よく、「試合に勝って勝負に負ける」といいます。まさにその状況ですね。今のイスラエルはガザ侵攻において軍事的に完全にハマス等武装勢力を圧倒していますが、鳥瞰すると、国際情勢の中では西側全体が不利な方向に向かいそうです。

 …そうしてはならない。
 この流れを是正することができるのは、事実上、米国大統領の指導力に期待するしかありませんね。バイデン大統領にそれができるのか?といわれそうですが、地位・役割として、悲しいかな、彼しかいません。他の誰にもイスラエルのネタニヤフの首に鈴をつけることはできないのです。願わくばバイデンがネタニヤフの襟首をつかんで腹を割って話して説得し、トサカが熱くなっているネタニヤフを冷静にさせ、長い目で見たパレスチナ政策を国際的に推し進める方向に持っていってもらわないといけません。勿論、これまでもそうであったように、パレスチナ問題はそう簡単に解決するものではありません。しかし、そんなことは分かっているが、現在のイスラエルのガザ掃討でも解決はしませんよ。怨嗟が残るだけです。ハマスが消えても、。パレスチナ人は皆、頭にきていますから、また次の「ネオ・ハマス」勢力が出てきますよ。だったら、国際的な支援の下でパレスチナ国家再建を目指した方が、まだ夢がある。少なくとも、今の方向性に何の夢もありませんよ。
プレゼンテーション1
記者に詰め寄られるバイデン大統領(画像:2023年11月18日付BBC記事「Biden facing growing internal dissent over Israel's Gaza campaign」より)
バイデン、お前がリーダーシップを発揮しなくてどうする!

(了)

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2023/11/12

ガザ紛争: シファ病院に注目集まる中、ガザ北部に概ね包囲環。ハマス等武装勢力は弱体化か

イスラエル軍が迫るシファ病院の混乱と惨状が世界の注目集める
 今、メディアの報道の焦点は、ガザ地区最大の病院、アル・シファ病院の状況です。ハマス等武装勢力の掃討作戦を続けるイスラエル軍は、シファ病院の周辺まで進出し、イスラエル当局は、「シファ病院に対する攻撃はしていない、その周辺ではハマス等武装勢力との交戦が起きている」という説明をしています。他方で、医療関係者や患者などに退避を勧告しています。メディアの報道では、次々と運び込まれるガザのパレスチナ住民の傷病者があふれかえる病院の混乱と惨状が映像を通じて世界へ伝えられています。

 シファ病院に係る今後の展望として、私見ながら、イスラエル軍は「この病院の地下にハマスの司令部ないし重要拠点がある」との確信を持っており、シファ病院の医療関係者・患者に避難をさせつつ、間もなく病院内部に対する慎重な掃討作戦を開始するでしょう。そして、それはその過程でパレスチナ住民の更なる死傷者を大勢出し、更なる国際的な厳しい非難を浴びるでしょう。しかし、イスラエルは国際的な非難に屈せず、病院の掃討戦を続け、病院の地下に所在するであろうハマスの重要拠点を見つけ、それを報道公開することで、病院に対する掃討作戦の正当性をPRするでしょう。PRしたとしても、犠牲になったパレスチナ住民への何の贖罪にもなりません。しかし、自らの対ハマス等武装勢力掃討の正当性を主張し、その「正義」を国際的非難に対する盾に、引き続きガザ北部の掃討作戦を遂行するでしょう。それがイスラエルという国なのです。

ガザの掃討作戦の状況
 前述のアル・シファ病院の状況は、イスラエルのガザ北部掃討作戦の先端の局所に過ぎません。
 ガザ北部におけるイスラエルの掃討作戦の状況は、下のポンチ絵をご覧ください。米国の研究機関「戦争研究所(ISW)」の2023年11月10日付(日本時間11日)ISW記事「Iran Update」を参照し、同記事に掲載された状況図に筆者の私見も含めて加筆・描画しました。上の方がガザ北部における掃討作戦の状況、下の方がイスラエル周辺を含めた全般状況です。

 ガザ北部の掃討作戦の状況は、下のポンチ絵の上の方にあるように、ガザ地区中央を横断するワジ・ガザ(ガザ渓谷)の線でガザ地区南北を切り、その北部を中心として掃討作戦が実施されています。これは、ガザ地区北部にハマスの拠点が集中していたため、まず北部の掃討作戦をイスラエルが優先したことによります。イスラエル軍の作戦は、下の図の薄い青色と灰色っぽいくすんだ青色の地域が既に掃討した地域です。これを基に、私見ですが、イスラエル軍の掃討作戦の腹を読むと、まずワジ・ガザの線に沿って部隊を投入しガザ南北を分断、北部を分断・孤立化するとともに、北部の北端にも部隊を投入し、北からと南からの挟み撃ち的にガザ北部の中枢たるガザ市街地を挟み、じ後、絵が示すように、海岸沿いに走る海岸道に沿いに、北から及び南から、包囲環を閉じようと企図している模様です。この際、ガザ地区北部中央のガザ市街地(下の図では赤点線)とガザ地区北部の東側の農耕地区(下の図では青点線)を囲むように、西側の海岸道沿いに間もなく包囲環が閉じ/結ばれる状況です。ガザ市街地の包囲環が形成されると、じ後は逐次に包囲の輪を圧縮していき、最終的に完全に掃討した地域にすることになるでしょう。とはいえ、この掃討したはずの地域には、まだ残留住民がいます。その中に紛れてハマスの残党もいます。さらに、ガザ地区に張りめぐらした地下トンネル網を使って、ハマス等武装勢力が神出鬼没的に出て来てはイスラエル軍を攻撃します。イスラエル軍は、一旦地上を掃討したはずの地域でも、後から地下から武装勢力が出てくることがあることを十分に留意して、地下トンネルの出口を捜索し、見つけたらトンネル内を捜索し、残敵がいれば倒し、執拗かつ徹底的にモグラ叩きとモグラの巣と抜け道潰しをしています。この掃討作戦は、一旦包囲環が形成され、その包囲の輪を縮めて、ガザ北部全地域が「掃討されたはずの地域」になったとしても、相当な時間を要してモグラ叩きとモグラの巣と抜け道潰しを続ける必要があります。だから、たまにネタニヤフが「10年かかる」という言い方をするわけです。

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スライド1

ガザ地区、イスラエル周辺含め全般状況を眺めての趨勢: ハマス等武装勢力は弱体・沈静化か
 私見ながら、・・・
 ともあれ、開戦以来のガザ地区北部の掃討作戦の進行状況とハマス等武装勢力との交戦状況を眺めていると、逐次にハマス等武装勢力の抵抗の質も量も低下していることが分かります。開戦当初、ガザ地区から数百のロケット攻撃がイスラエル市街地に落ちてきましたが、ここ最近では数えるほどまで減りました。現在ガザ北部で起きている交戦も、モグラ的に出てきたハマス等武装勢力がイスラエル戦車や車両・兵士に対して単発的な攻撃をする程度で、質も量もガックリ減っています。組織的な軍事行動による「軍事衝突」ではなく、単発的なテロ攻撃的な「抵抗」という感じでしょうか。ということは、ガザ北部に所在していたハマス等武装勢力の戦力は相当に弱体化したと言えましょう。

 とは言え、ハマス等武装勢力の多くは、住民に紛れてガザ地区南部に逃れたり、更にガザ地区南部からエジプトへ地下トンネルで逃れたり、まだ一定以上の戦力は残存しているはずです。それ以上に、今回のイスラエル・ガザ紛争を鳥瞰すれば、イスラエル周辺国を含めて、イランに支援された反イスラエルの武装勢力はもっと活発化していいはずなのですが、これまた下の方の図の全般状況を見ても分かるように、周辺の状況もさほど活発にはなっていません。
 一方で、イランはイスラエルと関係改善しつつあったトルコを、この機会に親パレスチナ・反イスラエルにシフトさせようと、様々な画策をしています。いつものイランなら、もっと好戦的かつ過激なんですが、実はイラン国内で政府の厳しい宗教的規律、特にスカーフをしなかった女子学生が官憲に拘束され死亡した事件に端を発した女性の人権弾圧をめぐる反政府デモが社会問題化し、今回のガザ紛争に関しても、イラン政府の反イスラエル政策に対し、イスラエルとの紛争に巻き込まれるのを懸念する動きが起きています。特に、前大統領ロウハニ氏ら穏健政治指導者が現政権の対イスラエル政策に反旗を翻しています。イランも母屋に火の手が上がるかもしれない状況になっています。

 私見ながら、この状況から察するに、イスラエルのガザ地区北部での掃討作戦が順調で、対してガザ地区のハマス等武装勢力が相当弱体化し、「この流れは変わらないな、分が悪いな」と先読みした外郭の武装勢力や周辺国は手をこまねいている状況、と推察します。これが現在の趨勢ではないでしょうか。

今後の展望: 軍事的な紛争拡大ではなく親パレスチナ・反イスラエル・反米の国際世論が焦点に
 とすると、今後の展望としては、対イスラエル武装勢力による武装闘争/紛争の拡大、という方向ではないと推察します。
 今後の展望として考えられるのは、ハマス等武装勢力や背後にいるイランの思惑として、軍事的な紛争拡大での闘争ではなく、シファ病院のような人道的な危機をマキシマイズして国際的世論を親パレスチナ、反イスラエル・(それを支援する)反米国に導く展開にシフトすると推察します。そう思いませんか?米国は勿論、国内にアラブ人を多く抱える西欧諸国にとって、国内での親パレスチナ・反イスラエル・反米のデモは非常に痛い。これを鎮圧すると政権が悪者になる。軍事的紛争拡大よりもコストがかからず、かつ、効果絶大な方策ですよね。特に、イスラエルにとって最大の支援国米国は、これから大統領選挙という機微なシーズンを迎えます。まさにシファ病院のような人道的危機状態をテコに国際世論を味方に引き付け、世界各国で起こる親パレスチナ・反イスラエル・反米のデモなどと連帯し、物理的打撃以上の大打撃を米国政権に与えます。米国は国際世論(米国世論)に一定の迎合をせざるをえないでしょう。すなわち、イスラエルに対してかなりの強制力を発揮してガザ侵攻に干渉するでしょう。

 そういった一連の米国バイデン政権への打撃・政権弱体化こそ、背後にいるイラン、いやいや更に背後にいるロシアの思うつぼです。 ウクライナ侵攻の苦戦で苦境に立つロシアにとって、米国はじめ西側諸国のウクライナ支援をミニマイズすることが最大の得点です。今まさに、その方向性が見えてきてしまいました。

知より情(血): イスラエルの「やむにやまれぬ大和魂」的な心情
 いわゆる冷静かつ客観的な合理的思考や判断からすれば、イスラエルは他にやり方があるはずなのに、まさに「かくすればかくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂」(吉田松陰)の歌の文句のような心情がイスラエルなのです。(まぁ、これはパレスチナにも言えることですが、)「知」より「情」、いや「知」よりも「血」、なのかもしれません。他にもっと利口なやり方があったとしても、そんなことは代案にもならず、一路奔走するのがイスラエルとパレスチナの戦いなのです。

頼みの綱は国際的調停、PKOによる兵力引き離し・停戦監視・平和維持ではないか
 とはいえ、他人事として諦めず、国際社会としては何とか事態を収めなければいけません。ここはPKOでしょうね。国連PKOで多国籍の部隊を配置し、国際的な兵力引き離し・停戦監視下での平和維持を図り、そのもとで西岸地区も含めたパレスチナの正規の国家建設という前向きな方向で復興させることが何よりではないかと存じます。それがイスラエルや米国の賛成を中々得られないことは百も承知ですが、ここまでの世界史を経た人間の知恵というものではないでしょうか。

(了)

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2023/11/04

見えてきたイスラエル・ガザ紛争: イスラエルのガザ侵攻 対 親ハマス武装勢力の外郭攻撃とロシアの影

見えてきたイスラエル・ガザ紛争
 毎日のニュースで見られるのはイスラエル軍の一方的なガザ侵攻です。
 他方、イスラエル・ガザ紛争の真の構図は鳥瞰してみないと全体像が分からず、今後の展望を見失います。すなわち、この紛争の展望を見極めるには、ガザ地区で起きているイスラエル軍の一方的なガザ地区への攻撃の苛烈さや被害を受けるガザ市民という映像のみにとらわれることなく、イスラエル北部国境地域、パレスチナ(ヨルダン川)西岸地区、及びイスラエル周辺国における駐留米軍基地等へのハマスや親ハマス武装勢力の攻撃も同時並行的に視野に入れる必要があります。

 下のポンチ絵をご覧ください。米国の研究機関「戦争研究所(ISW)」の2023年11月2日付ISW記事「Iran Update」を参照に、同記事に掲載された状況図に加筆しました。上は全般状況、下がガザ地区の状況です。
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イスラエルのガザ侵攻 対 親ハマス武装勢力の外郭攻撃とロシアの影
 イスラエルは、最大の懸案「人質問題」に留意しながらも「ハマス憎し、この際、根絶すべし」というガザ地区での掃討作戦を展開、その一方でイスラエル国内へのガザ地区からのロケット攻撃への対応や、レバノン・シリアとの北部国境におけるレバノンの武装勢力ヒズボラの越境攻撃への対応、マイナーながらイエメンの武装勢力フーシ派のイスラエル南部へのドローン攻撃への対応、更にパレスチナ西岸地区内の親ハマス武装勢力によるイスラエル警備隊への攻撃などへの対応、などを同時並行的に両にらみで対応している、というのが全体像です。これに加え、イスラエルが直接の攻撃目標ではないものの、イラク・シリアに展開している駐留米軍基地への親ハマス武装勢力による攻撃が続いており、米軍は警戒レベルを上げています。これらの全体像で注意すべき点は、「イスラエル対ハマスの構図、これにハマスに同情した親ハマス武装勢力があちこちで反イスラエル闘争をしている」という単純な話ではなく、「イスラエルに敵対しているのは実はイランに支援された反イスラエル有志連合軍であり、その背後にロシアがいる」という構図なのです。これがイスラエル・ガザ紛争の本質部分です。

 なぜロシアが背後にいるのか?
 それはロシアがウクライナ侵攻がうまく行かず、米国はじめ西側諸国がこぞってウクライナ支援を継続しているので、苦境からなかなか抜けられない泥沼状態であるからです。この苦境から抜け出すため、ウクライナ正面とは全く違うディメンジョンの「イスラエルのパレスチナ問題」という禁断のパンドラの箱を、イランと共謀してレバノンのヒズボラやガザのハマスを煽って開けさせたのです。イスラエルのパレスチナ問題は、非常に解決困難な問題で、イスラエルもパレスチナも(特にガザのハマス)相互に絶対に相手に対して妥協しない問題で、なおかつ、この件に関して米国は不可避的にイスラエルの盟友としてイスラエルをかばうのです。この構図は、なんぼ最近は対イスラエル国交が雪解けしてきた中東のアラブ諸国でさえ、国家指導者はともかく、国民レベルで絶対に同じアラブとしての親パレスチナ感情を刺激します。これはアラブ諸国のみならず、イスラエルのガザ侵攻の悲惨な映像がテレビでニュースで流され、「強者イスラエルの弱者ガザ地区のパレスチナ市民に対する一方的かつ苛烈な攻撃」という絵柄を見せられた国際社会として/国際的な世論として、猛反対の渦を作りつつあります。ですから、ロシア・イランのパンドラの箱作戦は、国際世論的に大成功なわけです。これまで、ウクライナ侵攻が国際的な指弾の焦点でしたから、対ロシア反感が席巻していた国際世論を一挙に巻き返して対イスラエル反感にできたわけですし、イスラエルを全力で支えようとする米国バイデン政権に対して効果テキメンの大打撃を与えています。時、あたかも大統領選挙イヤーを迎えようとしています。米大統領選挙戦では、バイデン大統領のイスラエル支援とウクライナ支援の継続という、バイデン大統領にとって非常に部の悪いアジェンダで論戦を強いられ、対イスラエル支援や対ウクライナ支援は、必ずや大打撃を受けることになるでしょう。

展望
 11月3日に米国のブリンケン国務長官がイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、「一時停戦」を要請し断られた旨のニュースが流れました。これは約束動作ですね。米国バイデン政権としてはそりゃ一応ダメ元及び外交ポーズとしてそう要請しますよ。結果はムリ筋。そのポーズの裏で、ブリンケン国務長官は「支援するけど、ガザの掃討作戦は長引かすなよ!住民混在で無理な攻撃して大きな住民被害を出すんじゃないぞ!やるならやるで、早く片を付けろ!住民被害は最小限にしろ!」と注文をつけたはずです。そして、そのムリな注文をネタニヤフに約束させる代わりに、イスラエルに対して有力な支援ネタを提供するとともに、中東に展開している米軍の対イラン、対親ハマス武装勢力の抑え込みのための表の作戦、裏の作戦を展開するでしょう。アメリカ人が好きそうな展望としては、「クリスマスまでに解決、やれやれひと段落就いたね、と家族と共にゆっくりクリスマス休暇を楽しむ」という意味で、12月中旬までの掃討戦終了をネタニヤフに約束させたのではないか、と推察します。

 まぁ、事実上難しいでしょうね。ハマスは粘るし、ヒズボラや他の親ハマス武装勢力、イラン革命防衛隊は余計な頑張りをするでしょうから、長期戦に持ち込まれる可能性は十分あります。さりとて、ハマス・親ハマス側に勝利の絵姿はないんですよ。イスラエルは、自国の存立がかかっているので総力戦では絶対に負けない。その粘りはハマスや親ハマスの比ではありません。経済的にも比較にならないほどの資金力差があります。イスラエルはガザを占領した気は全くありません。ただ、イスラエルを攻撃する者を根絶したいだけです。イスラエルとしては、反イスラエル主義者が隣に住んでいても、そいつが物理的にイスラエルに攻撃してこない限り、隣人との共存は可能なのです。そこが落としどころであって、イスラエルが嫌いでもとりあえず物理的には攻撃しないパレスチナの西岸地区の形であれば、ガザ地区も共存できるんですけどね。今回の掃討作戦でハマスを弱体化し、一定の成果をもって停戦し、じ後新たなPKOを介在させて、国際的な監視下での共存に持っていければいいと思うんですけどね。


 私見ながら、やはり守るべき本丸=主作戦正面はウクライナ戦線です。
 支作戦正面のイスラエル・ガザ紛争は一定の線で痛み分けさせて早期に解決させましょう。
 そして、ウクライナ戦線において、ロシアの戦線巻き返しの企てを潰し、ウクライナの反転攻勢・失地回復を成就させることこそ果たすべき目標です。
 頑張れ!ウクライナ!

(了)

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2023/10/28

ガザ地上侵攻は始まっている模様

地上侵攻開始では?
10月27日夜のガザ地区攻撃についてコメントするイスラエル軍報道官(2023年10月28日付BBC記事より)

ガザ地上侵攻は始まっている模様
 日本時間2023年10月28日(現地時間-6時間)現在、地上侵攻部隊はガザ地区内に数日前から侵入しており、戦車・装甲車の直接照準射撃で攻撃を実施しています。侵攻部隊の規模がまだ大きくないことから、「地上侵攻開始」とは西側報道でも言っていませんでした。しかし、BBCのライブ報道を見るに、昨27日夜のガザ北部に対する集中的な空爆と地上侵攻の拡大の状況がかなり烈度がケタ違いに強まった状況であり、これは宣言なき「地上侵攻開始」ではないかと推察します。
(参照: 2023年10月28日付BBC「LIVE: Israel says ground operations expanding as it intensifies Gaza bombing」、ほか)

現在のガザ地区の状況
 日本時間28日9時の段階のBBCのライブ報道によれば、ガザ地区は次のような状況です。
・ イスラエル軍は、ガザ地区に侵攻した地上部隊によりハマス掃討作戦を拡大している模様
・ イスラエル軍は、27日夜ガザ地区北部で集中的な空爆を実施した
・ 死傷者はハマス側の発表で、イスラエルの報復攻撃開始以来7000名に及ぶ
・ ハマス側は、ガザ地区北部で侵入したイスラエル軍地上部隊と衝突中と発表
・ イスラエル軍報道官は、ガザ地区の住民に対し、身の安全のため南部に避難を勧告した
・ 27日夜の段階でガザ地区の通信網がダウンし、ガザ地区の住民は電話連絡が取れない状況
・ 国連総会はヨルダンが提出した即時の人道的停戦靴議案に120カ国が賛成

国際的な四面楚歌
 イスラエルにしてみればいつものことですが、現在イスラエルは四面楚歌的な国際世論に晒されています。
 国連における「停戦」の勧告をめぐる親パレスチナ派と親イスラエル派に分かれた喧々諤々の協議、世界各国のイスラエルのガザ攻撃に対する抗議デモの高まり、等々、国際世論の潮流としては、キッカケのハマスのイスラエル攻撃は確かにハマスが指弾されましたが、以降のイスラエルの苛烈かつ圧倒的な空爆を主体としたガザ地区に対する空爆やインフラの遮断など、ガザのパレスチナ市民の置かれた惨状をメディアを通じて見聞し、イスラエルの強行かつ一方的な軍事行動に対して批判が集中しています。盟友米国政府でさえ、米国内でのイスラエルのガザ攻撃に対する抗議の声の高まりや与党民主党内でも政府に対する異論が出てきており、さすがにイスラエルをかばいつつもイスラエルに自制を促している状況です。

我が道を行くイスラエル
 そんな中での、イスラエルのガザ地上侵攻のエスカレーションですが、・・・
 イスラエルという国の特殊性ですが、四面楚歌なにするものぞと一切耳を貸さずに我が道を行きます。イスラエルのネタニヤフ首相の腹は、今回のハマスのイスラエルに対する攻撃を受け、「ハマスの根絶」を決心していますから、国際世論の四面楚歌なんぞ眼中になく、盟友米国からの自制促しすら無視し、時間稼ぎされないうちにハマスの徹底的な弱体化をするつもり、と推察します。
 イスラエルにとって最大の課題は「人質」問題です。ハマスは200名を超える多国籍の人質をガザ地区内に拘束しています。勿論、イスラエルはガザ地区にスパイも入っているはずですし、人質救出作戦ないし地上侵攻のエスカレーションや空爆の苛烈化の際も、人質に被害が及ばないように攻撃目標の精選をしているはずです。
 しかし、不可避的に巻き添えで死傷していることでしょう。例えば、まさに本日28日朝付のイスラエル側の発表で、ガザ地区内のシス?という大病院にハマスが多数入り込んでいるのを確認するや、空爆しています。当然、病院に所在した民間人の被害も出るわけですが、イスラエルには民間人の死傷者は「仕方のない2次的被害」として考慮しません。人質がそこにいても全くおかしくはないわけです。


不条理、人道配慮の軽視、民間人の死傷、
ハマスもイスラエルも両方ともどうかしていますが、・・・
これが国際情勢、国際紛争の悲しい現実です。

(了)

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