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2020/05/11

トランプ政権の「コロナは武漢研究所からの流出」説は中国のワナかも?

 トランプ米大統領は、コロナウイルスが中国の武漢のウイルス研究所から流出したことがコロナ禍の起源だ、重要な証拠を見た、と主張。ポンペイオ国務長官も同様の発言の後、最近ではトーンダウン。私見ながら、これは中国がトランプの権威を失墜させ大統領選落選させるために仕掛けた巧妙なワナでなないか?というお話。
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中国武漢研究所のコロナ研究第一人者シー・ジェンリー(石正麗)女史(インドのwion紙 2020年5月6日付 「China's 'bat woman' Shi Zhengli goes missing」より)

 内外の関連情報を一通り読んだうえで、概略を要約すると次のような状況です。

<トランプ米大統領の「コロナ武漢研究所流出説」>
2020年5月6日(水)、米国のトランプ大統領は、「これは(現在のコロナ禍は)真珠湾攻撃よりも、世界貿易センターへのテロ攻撃(9.11)よりずっと悪い。これまでこんな攻撃はなかった。発生源で止めねばならなかったのに、中国はそうしなかった。」と語り、「証拠を見たのか?」との記者の問いに対して「見た」と答えた。また、ポンペイオ国務長官は当初「武漢研究所から流出したことを示す重大な証拠がある」旨、かなり強気の発言をした。その後、どういうわけか「確実ではない」とトーンダウンした。
これに対し、中国政府は「それなら証拠を示せ」と猛烈に反発。

<武漢研究所流出説の根拠>
米国側の武漢研究所流出説の根拠は、WHO顧問のジェイミー・メツル(Jamie Metzl)氏の「新型コロナウイルスの発祥は、武漢の海鮮市場ではなく、武漢研究所(※)の可能性あり」という見解が論理的な根拠のようだ。(参照:米National Review 誌 2020年5月1日付「WHO Adviser Says It’s ‘Likely’ Coronavirus Leaked from Lab, Slams Trump Admin」ほか。)
 同氏は、科学者らしく、具体的なfactを並べて、そこからのある程度精度の高い論理的帰結として、武漢研究所からの流出の可能性が高い、との結論づけている。(※武漢には武漢研究所の名の2つの研究所があり、武漢ウイルス学研究所と武漢疾病予防研究所のうち、ここでは前者を指す。)

・ 2019年12月の武漢の肺炎の多発に際し、詳細な調査もないまま武漢の海鮮市場が発祥地とされた。2020年1月1日に閉鎖され、消毒された。
・ しかし、数々の証拠から、実は新型コロナが武漢海鮮市場が発祥地ではないと言える。新型コロナはウイルスの検体からコウモリ由来であると分かっているが、この時期に市場でコウモリは売られていなかった。初期の感染者の1/3は海鮮市場とは何ら関係性がなかった。
・ 海鮮市場からそう離れていない場所に武漢研究所が所在。この研究所で、SARSウイルスの研究が行われ、SARSウイルスの起源と言われるキクガシラコウモリのいる遠隔地の洞窟にてコウモリを採取、コウモリの持つコロナウイルスを生きた子豚に注入するなど各種の実験を実施。学術的論文も多数ある。
・ 2018年1月、米国大使館の要員が同研究所を視察したところ、ヒトへの受容体と結びつくかなり危険な種のコロナウイルスを扱っており、研究として必要があるものの、ウイルスを管理する研究所としての管理体制が杜撰であり、要員の数も技術も不足しており、安全性を深く懸念する旨、米本国に公電を送っていた。
・ 上記に関連して、中国のウイルスを扱う研究所の安全性は一般的に低いことが指摘されており、北京の研究所にて研究中のSARSウイルスの流出し数名が感染し1名死者が出た事例がある。
・ 武漢研究所では、研究中にコウモリの血液を浴びたり、洞窟にてコウモリに放尿され、感染の可能性から研究者が隔離された事例があった。
・ 武漢海鮮市場の閉鎖と前後して、中国南華大学の研究者が、武漢研究所が感染源である旨の論文を発表。じ後、撤回された。
・ 一連のコロナ対応で、中国政府は次のような数々の組織的隠蔽をしている。
 * 2019年12月下旬、武漢の謎の肺炎(新型コロナウイルス)が問題化し始めた時期に、インターネット上のニュースや書き込みに対する検閲を始め、謎の肺炎の感染拡大関連の記述を消去。
 * 2020年1月1日、調査せずに武漢海鮮市場を閉鎖、消毒。
 * 同1月、遺伝子関連企業に、ウイルス検体をすべて破壊するよう命令。
 * 同1月、研究機関に対し謎の肺炎関連の情報の扱いを禁止、所持している検体を提出するか破壊するよう命令。
 * 同1月、武漢の地方政府が感染発生を承知して以降、WHOに対する報告を4日間遅延。更に、WHO調査チームの武漢入りを3週間差し止めるとともに、アクセスを制限。また、調査チームの調査以前に海鮮市場は既に消毒されてしまったため、感染源であったかどうか調査不能となる。
 * 同1月、上海の研究機関がウイルスの遺伝子データを海外と共有したところ、同研究機関を閉鎖。
 * 同1月、国家衛生健康委員会は、ヒトヒト感染の可能性について論じ、感染拡大のリスクが高いと考えてコロナ対応について文書にまとめたところ、内部用、非公表として封印。
 * 同文書の封印翌日、中国疾病管理予防センター長は国営テレビで「ヒトヒト感染のリスク低」と発表。WHOにもその趣旨で報告。
 * 2月、新型コロナの発生源に関する発表は許可制となる。また、許可なく政府の好ましくない報告をする医師が罰せられていることを国営メディアが報じ、医療従事者の感染疑いやヒトヒト感染が起きている可能性について、医療関係者間で事実上の緘口令が引かれた形となる。
 * 3月12日、中国外務省スポークスマンは米軍が意図的に新型コロナを武漢に持ち込んだと主張。
 * 3月の時点で、 12月や1月に症例や感染拡大の危機を報告していた医師や記者らの音信が途絶える。
 * 3月、米国メディアのNYタイムズ、ウォールストリートジャーナル、ワシントンポストの米国人の追放を発表。
 * 4月、武漢研究所は2019年1月の米国大使館の要員の訪問について記したプレスリリースを削除。
 * 4月24日、米国紙NYタイムズが以下を報道。新型コロナ関連のEUの報告書に「中国政府は感染の世界的拡大についての中国への非難をそらすため、儀情報を世界に流している」旨の記述を、中国政府がEU高官に圧力をかけて削除させた。

 これらの状況証拠的な内容に触れ、米国は米国の情報機関をはじめファイブアイズと言われる同盟国の情報機関の密接な連携により、武漢研究所が研究のため保管していたヒトヒト感染を容易に起こす新種のコロナウイルスを流出し、それを隠蔽するために様々な手を打った、ということの裏取りをしているものと見られる。

<米国が強気に出た後にトーンダウンした決定的証拠の推測>
 さて、ここからはあくまで「私見ながら」の推測です。

 上記の状況証拠では、決定打がない。あれだけ米国が強気に発言をした「何か」決定的な切り札があったはず。
 それは、「コウモリ女(Bat Woman)」と研究者たちから称号を受けていた武漢研究所のコウモリ由来コロナウイルスやSARS研究の世界的権威であるシー・ジェンリー(石正麗)女史の存在である。特に、このシー女史は現在行方不明だが、一時期フランスへの亡命話があった。
 決定的なのは、このシー女史が、SARSの研究で感染源と言われるキクガシラコウモリを採取し、研究所内で飼育し、ウイルスを抽出し、ヒトに感染させるインターフェイスとなる他の動物(哺乳類)にウイルス注入をする等の数々の動物実験をし、コウモリから他の動物を媒介してヒトへの感染に至るプロセスを研究していた張本人であり、謎の肺炎が武漢で問題化した時期に、自ら武漢研究所からの流出を疑って研究所の調査をしていることである。シー女史自らが米国の研究者仲間に調査したことを話している。
 しかし、シー女史は武漢研究所からの流出ではないことを明言し、行方をくらましたのだ。ここでフランス亡命説が出た。更に、シー女史が研究所の機密文書を持ち出して米国へ亡命?との噂が飛んだ。中国内のネットで炎上、裏切り者・国賊とまで貶される誹謗中傷が出る。

 ところが、事実関係のみ言うと、インドのメディアから、行方をくらましていたシー女史からのメールが中国国内のチャット内容として報道される。「(噂されているようなことについて)No matter how difficult things are, it shall never happen, ・・・We’ve done nothing wrong. With a strong belief in science, we will see the day when the clouds disperse and the sun shines.・・・(安否について)Everything is alright for my family and me, dear friends. 噂されているようなこと(亡命など)はいかなることがあっても起きない。・・・我々は何も間違ったことはしていない。科学に対する強い信念を胸に、我々はいずれ雲が晴れ太陽を見られるであろう。親愛なる友よ、安否については、家族と私は大丈夫である。」これは、5月2日付の中国政府系機関紙に掲載されたという意味深な報道。
(インドのwion紙 2020年5月6日付 「China's 'bat woman' Shi Zhengli goes missing」より)


 私見ながら、米国の強気発言は、このシー女史の亡命について、在中国米国大使館或いは中国内の米国CIAエージェントの子飼いの情報屋に、ある程度精度の高い情報が米国側に届き、(例えば、本人と連絡が取れ、米国への亡命を本人が希望している、とか)まことしやかな裏取りもでき、この情報が米国トランプ大統領の元に届いたら、大統領は思わずニヤけただろう。そしてあの強気発言。そのあとに、「スミマセン、ガセネタでした」と分かる。そんなバカな話はなかろうと思われるだろうが、もしそんな話があるとすれば、この話を仕組んだのは中国政府に違いない。シー女史のチャット内容、意味深だと思わないだろうか。「私の家族と私は大丈夫」と言っているが、まず罪なき家族を中国政府に抑えられているのだろう。このチャット内容が中国の政府系の機関紙に載ったということは、シー女史は中国政府に軟禁されている。そして家族や親しい友人も抑えられている。自分の一人なら動きは軽いが、家族を重視する中国において、親兄弟親類縁者や親しい友人を含め、ガッチリと抑えられて、ここで自分一人で亡命などしようものなら中国に残る一族郎党はひどい目に会わされる。恐らく本人を含め軟禁されているに違いない。もはや国家に対する裏切りなどできようがないのだろう。軟禁されて、国家に対する忠誠を誓わされている。当面の間、外界から遮断され、音信不通にされていた。チャットすら軟禁下で命じられて書いただろうし、本人が書いていないかもしれない。中国の諜報機関は、この本人を抑えておいて、シー女史の「機密文書をもって米国への亡命」の話を米国側に持ちかける。他方、ネット上では中国の子飼いのネット聴衆を使って、シー女史の亡命かも?の話とそれに対するネット炎上を演出する。他方で諜報機関は慎重に亡命話を進める。所々、本人からの申し出であることを保障する本人情報や認証情報を本人から出させ、米側の情報機関を信用させるに足る確たる証拠も掴ませたであろう。今、youtubeに出ているが、トランプ大統領の以前側近だったバーノン元補佐官もまんまと引っかかって、中国武漢研究所のコロナ発祥説とシー女史の米国への亡命話をアップしてる。バーノン氏もまんまと騙されている。恐らく、この情報にて米国大統領府こぞって、中国に一杯食わされたのではないか?トランプ大統領にとって、中国武漢研究所がコロナウイルスの起源であったという世界的特ダネの決定打となるシー女史という生きる証拠は、もはや中国に取られてしまった。残るは状況証拠しかない。もう一つの確たる証拠となりえる研究所の調査だって、海鮮市場と同様、既に中国政府にキレイに消毒されているのではないか。証拠はもはや残っていない。
 「コロナは中国の研究所から流出した!」と既に世界に吹聴してしまったトランプ大統領。そんな勝ち目のない喧嘩を仕掛けてしまったトランプ。中国は大統領選挙でトランプの負ける姿を想像して腹を抱えて笑っているのではなかろうか。

(了)

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2020/04/19

コロナ報道:アジアの報道管制と戦うメディア

 非常事態宣言は、ついに日本中を対象とする段階に入りました。感染者も遂に1万のオーダーを越えました。医療関係者の方々はまさに戦場、コロナ対応の分、通常の医療の方が崩壊しつつあります。
 そのような中、日本のマスコミ報道は政府や都道府県の対策の揚げ足取りばかり。日本に所在するメディアはほぼ自由に取材ができ、自由に報道しています。これが当たり前なのですが、目をご近所のアジア諸国に転じると、マスコミの取材や報道に国家からの厳しい報道管制があって、国内外のマスコミは苦戦しながら報道しているようです。日本にいると、これが当たり前で正しいと思っていますが、それぞれの国にそれぞれの事情があって(もちろん間違った事情もあるでしょうけど)、こういう状況になっていますよ、というお話です。以下、VOA 2020年4月17日付記事「Asian Media Battles Officials to Report on Coronavirus」 (下の写真も同記事より)の内容です。米国のメディア・VOAから見るとアジアはこう見えるんですね。つくづく日本人でよかったと思います。
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(武漢から撤収する応援医療従事者の送別イベントにて、警察が報道関係者を排除。 A policeman moves journalists back from an event held for the last group of medical workers who came from outside Wuhan to help the city during the coronavirus outbreak, in Wuhan, China, April 15, 2020.)

<状況>
○ 概況
  アジア諸国で内外のメディアがコロナウイルスの状況を報道しているが、その報道の内容を紙上やネット上で政府当局がチェックし検閲される脅威にさらされ、状況を報道する際にいかに当局の目をかいくぐるか、苦しい対応を迫られている。
  アジア諸国は、概して健康管理や医療のシステムが十分整備されておらず、また、政府の情報の開示が制約され透明性を欠く。こうした状況下で、報道の役割を果たすのはなかなか難しい。例えば、ロックダウンによる経済へのダメージを緩和する政策を報道するにせよ、景気刺激や休業補償などの複雑な政策を正確かつ分かり易く説明する上で、政府からの通知文書のみしか情報はなく、そこからメディア側がいろいろ考察を加えなければ報道にならない。せいぜい頼りになるのは、当局から発表される感染者や死者の数字だが、これすら政府当局の発表の信頼性は確かなものとは言い難い。
  また、ネット上に玉石混交の様々な情報やコメントが出されるが、メディアが政府のコロナ対応や政策に批判的な報道をすることもあるが、政府当局にとって「不適切」な内容の報道をすると「フェイクニュースを流した」として摘発されるし、そのメディアの報道に対し親政府系のネットユーザー(政府がバックにいることも)からアンチのコメントが殺到することも。

○ 中国
  中国では特に顕著。ロックダウン下では、取材を熱心に実施していた記者数名が失踪している。(恐らくは官憲に拘束されているものと思われる。)記者やニュース解説者や評論家の行動は官憲に追跡され、出し抜いても後で逮捕されることもあり、ネット上でも言動をチェックされ、絶えず当局の監視下に置かれている。
  下の写真(VOA同記事から)は、中国政府のコロナ関連記者会見後に政府の発表内容文書に群がって情報ソースとしている状況。細部の説明や深堀り取材ができないので、こうした政府の文書から報道がスタートすることになる。一部の市民ジャーナリストは、危険を冒して自らの取材と考察で政府発表に挑んでいるが、既に3名が失踪している。結局、こうした状況の中で、中国国内のほとんどのメディアは、政府のコロナ対策や景気回復政策を称賛する記事ばかりになっている。
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○ フィリピン
  フィリピンでは、ドゥテルテ大統領がコロナ以前からもかなりユニークな思い切った政策をとってきたが、コロナ禍の中で更に思い切ったメディア政策を実施している。ネットその他のメディアで、コロナ関連の不適切な情報を発信・拡散したものに対して、「反フェイクニュース法」なる法律にて犯罪として処罰する挙に出ている。当然判断は当局なので、国内の反発もあるが、ドゥテルテ大統領は相変わらず猪突猛進で我が道を行く。

○ インド
  インドでは、政府の医療向けのマスク、手袋、防護衣等の保護具の備蓄について、メディアが政府批判の報道をしたところ、政府当局から「フェイクニュースを発信・拡散している」との指摘を受け、ネット上で袋叩きの状態となっている。

○ 日本
  日本では、日本流の「非常事態宣言」の発令後も、ほとんど強制力のない、比較的緩い「自粛」の態勢下にあって、他のアジア諸国とガラッと変わって、メディアほ自由に活動しており、安倍首相に対するメディアの批判は日常茶飯事。政府が決めた布製マスクの家庭への配布政策や安倍首相の自宅でくつろぐ映像の発信に対する批判が自由に行われている。世論の安倍政権への支持は3月下旬の時点で約5%下がり40.4%。日本に在住する米国の大学教授は「日本は他国と比してむしろ肯定的な数字や状況の中、安倍首相は石橋を叩いて渡るような慎重な政策を取っている、と言うべきであろう。」とコメントしている。

<私見ながら>
 中国の報道管制は案の定、厳しいですね。インドやフィリピンでは、ある程度の報道や言論の自由を認めているものの、比較的厳しい報道管制をしている模様です。ただ、中国のように徹底的な国家の統制ではなく、フィリピンやインドの場合、公共の秩序や公衆衛生の維持を目的として、デマ的な誤った情報を発信する輩に対して国内の混乱を避けるため統制をしているつもりなのだと思います。結果的に国家が報道管制していますけどね。
 日本の場合、その辺は自由ですね。一部に「非常事態宣言は横暴である。個人の自由を束縛する権利があるのか?コロナ禍自体が陰謀である。コロナは本当に怖いのか?怖がらずに外出しよう。」等々、ネット上で言いたい放題言っている方々の発言を見ると、無秩序?とも見えます。ロックダウンでない非常事態宣言下の「自粛」というゆるーい統制や、こうした報道や言論の自由は、水や空気と同様、今当たり前に享受できること自体が幸せだと思います。
 願わくば、あと数週間で逐次に数字が好転(感染者は減少し回復者が増加し、全体的な感染拡大が抑制された、コントロールできる状態に)し、逐次に平素の社会生活・経済に戻れますことを、心より祈ります。
 それまでの間は、一人一人が自分のできることで、コロナ禍と戦いましょう。

(了)

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2020/04/12

対コロナ: 三浦知良「日本の力を見せるとき」に同感!

 NHKのニュースで、サッカーの三浦知良さんが自分のオフィシャルサイト( kazu-miura.com/column/ ) にて「日本の力をみせるとき」(2020年04月10日(金)付、下の写真も同サイトより。)というコラムを掲載していることを知り、さっそく原文を確認しました。いやぁー全く同感です。素晴らしい。こういう発信力のある人が、こういう認識をしておられ、呼びかけているというのは心強いです。
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 サッカーJ1の横浜FCにて現役最年長53才の「キングカズ」こと三浦知良さんが、現在の緊急事態宣言下のコロナ対応について、以下のような自身の考えを発信しました。

「・・・ すべての行動が制限されるわけでない緊急事態宣言は「緩い」という声がある。でもそれは、日本人の力を信じているからだと僕は信じたい。きつく強制しなくても、一人ひとりのモラルで動いてくれると信頼されたのだと受け止めたい。
   戦争や災害で苦しいとき、隣の人へ手を差し伸べ助け合ってきた。暴動ではなく協調があった。日本にはそんな例がたくさんある。世界でも有数の生真面目さ、規律の高さ。それをサッカーの代表でも日常のピッチでもみてきた。僕らは自分たちの力をもう少し信じていい。日本人はこういうとき、「やれるんだ」と。
   「都市封鎖をしなくたって、被害を小さく食い止められた。やはり日本人は素晴らしい」。そう記憶されるように。力を発揮するなら今、そうとらえて僕はできることをする。ロックダウンでなく「セルフ・ロックダウン」でいくよ。
   自分たちを信じる。僕たちのモラル、秩序と連帯、日本のアイデンティティーで乗り切ってみせる。そんな見本を示せたらいいね。 」

 良いこと言いますよね。世界を見てきた人だから、日本のアイデンティティーを客観的に評価してこう言ってらっしゃるんでしょうね。全く同感ですよ。

 というのも、緊急事態宣言が出る前からそうでしたが、最近の野党や評論家・専門家の発言やマスコミ報道を見ていて、どうにも緊迫感のなさに苛立っています。首相や政府、首都圏の都県知事が推進しようとしている緊急事態宣言に伴う政策に、野党や評論家やマスコミが批判的な論調で足を引っ張っていますよね。「日本の緊急事態宣言に法的拘束力がないから犠牲に見合う成果が得られない」とか、「補償が十分でない休業要請はあり得ない」とか、足を引っ張ることばかり言っておられます。勿論、政府や都県の政策は完全無欠ではないし、それは突っ込みどころはありますよ。いろいろケチをつけたい気持ちも分からんでもない。しかし、今は議論している場合じゃないと思います。もっと我がこととして、直面している事態を一致団結して早期に乗り越えることを考えるべき時期ですよ。数週間前の米国、ニューヨークは、はっきり言って事態をなめていました。このまま感染者が倍増していくと、ニューヨークの二の舞を踏みますよ。米国の感染者は50万名、死者は今や2万名を越え世界最大。トランプ米大統領は、今回のコロナ禍の感染による死者の予測を当初の10万~24万名という数字から最近下方修正しましたが、それでも10万名以下に治まるだろう、というもの。これって、60年代~70年代のアメリカに多大な暗い影を残したベトナム戦争の米国の戦死者5.8万名より倍近い数字ですよ。今や、世界の感染者178万、死者10万。世界的に感染拡大=パンデミックが起きてしまっています。日本は、たまたま比較的低い水準なので緊張感がなく、どこか対岸の火事だと思っているようです。医療崩壊の状況って、東京はまだなっていないから切実感がないですが、イタリアやニューヨークでは直面している問題ですよ。人工呼吸器の数が限られているので、目の前に重篤な患者がいても、危篤状態の高齢者とまだ回復する可能性のある若者の2択だったら、後者を救って前者を見捨てるという究極の選択が実際に起きているんですよ。ああいう風になるかもしれない。そうならないために、今政府も都県も頭を絞っていろいろやってるわけです。ここは、文句を言う前に、一致団結して協力しましょうよ。短期集中的に外出自粛、接触する際もソーシャルディスタンスを守り、マスクや手洗いを徹底するなど、基本的なことを団結・一致・協力して、みんなで守って、早期に国内の封じ込めをしましょう。あとは海外からの水際作戦を、結構長期になるでしょうが継続することでしょう。世界的なパンデミックなので、完全に消滅するのは相当な長期戦でしょう。経済活動は、元の状況に完全には戻れず、逐次に復帰することになるでしょう。それでも、今短期集中的に、1ケ月程度で済めば、さらに長期になるよりも、相当な早期の回復になるでしょう。ここは頑張りどころです。
 社会にとっては「経済低迷」、各自にとっては「休業補償」の問題って切実なのはよく分かります。しかし、イタリアや米国・ニューヨークのような状況になるかもしれないことを前提にすれば、もはや一番大事なのは「国民の生命」であって、一番大事な方針は明確です。ここ1ケ月ほど人との接触を極力制約して、人と接触する場合でも、ソーシャルディスタンス(他人との距離)をしっかりとる。ただ、これは多くの業種に休業を求めることになるので、経済対策やら補償を考えますが、これって前述の方針は不退転で進めることが前提で、ちなみに問題点に対する処置・対策としての話ですよね。その原則的な話がどこかに忘れられて、現在の野党や専門家やマスコミは、経済対策や補償のケチばかりつけているように見えて仕方がありません。また、一部の国民も、「補償が担保されないと休業できない」と、目先の話ばかりが先行していませんか?大事な話なのは分かりますが、まず最も大事なことは社会全体の生命の問題ですよね。そこを忘れてはならないと思います。

 (了)

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2020/04/04

非常事態宣言を出しましょう!早期決定的に対策打って早期収拾を!

<都心の緊張感のなさにビックリ>
用があって本日4月4日土曜の都心部へ。車窓から見た光景はいつもの年の春うららと同じであることにびっくりしました。土曜の都心部、春らしい陽光の中、やや少ないながらいつもと変わらぬ土曜を過ごす街角の人々。散歩する人、ジョギングする人、遊具をもって公園へ急ぐ子供連れ、・・・。アレ?外出自粛って言ってなかった?
いやぁー、あまりにコロナ関連のマスコミの喧伝とかけ離れた街角の風景に、当初は驚き、後でじわじわと怖くなりました。いかん・・・・、これはそのうちパンデミックになるな、と。
自粛疲れ?ストレス?だからこのくらい仕方ないの?いやいや、これは緊張感がなさすぎる。あとでとても痛いしっぺ返しを食らいます。

<安倍さん、非常事態宣言を出しましょう>
私はこれまで「『非常事態宣言』を出すのは時期尚早。しっかりと外出自粛、テレワーク推奨、国民の自覚に基づく自己規制で大丈夫だ。乗り切れる!」なんて思っていましたが、方針変更します。
安倍さん、非常事態宣言を出しましょう。 
掛け声だけではほとんどの国民や企業がが「自制」モードに入れないまま。私も、平日ほとんどいつもと変わらぬ通勤、勤務を繰り返しています。確かに、通勤電車の人混みは減っています。みんなマスクをし、手洗いに気をつけてはいます。自分もそうだし、周囲の人も気をつけてはいます。テレワークもある程度進んでいるのでしょう。しかし、結局のところ、ほぼ客が少ないだけでほとんどの企業はほぼ通常の営業をしているんでしょ。関連企業に電話かけて、お宅はどうです?なんてお互いの歩調を合わせて。でも、果断な処置に踏み切れないまま。何となく時間が解決してくれるんじゃないの?と期待しながら・・・。
ここは、何か強烈なキッカケとなる契機、「ありゃー出ちゃったか、それなら仕方ないな」という引き金が必要なんですよ。小池都知事が政府に呼びかけていたのも、それですよ。
非常事態宣言を出して、首相自ら国民にテレビで呼びかけるべきです。
イタリアや米国のようになってから手を打っても遅い。火事はボヤなら近所の人のバケツリレーで止まるけど、火が回り始めてしまったらもはや消防車が何台来ても消せません。知ってます?あれって今燃えている家の火を消してるのではなくて、近所に更なる延焼が及ばないようにしているだけで、今燃えている家は燃え尽きるまでどうしようもないんですよ。
コロナも同じ。やるならまだ火がボヤのうちに、早期に決定的な対策をガツンとかまして初期消火しないと。
勿論、非常事態宣言を出しても法的拘束力がどうのこうの言う人々や、非常事態宣言の人権的危険性を訴える人々がいますよ。この際、リベラルな人々との不毛な議論は捨ておきましょう。実効性のあるリーダーシップ、国民への呼びかけが必要です。

そう思うようになったのは以下のニュースです。ご参考まで

<在韓米軍司令官が韓国の感染拡大期に在韓米軍内でコロナを封じこめた話>
VOA記事2020年4月3日付「In South Korea, How US General Contained COVID-19」という記事(下の写真も同記事から)で、在韓米軍司令官が、韓国内でのコロナ蔓延に際して、早期かつ決定的な処置を在韓米軍内で決然と実施して、17名のみの感染で封じこめた話が載っていました。素晴らしい。
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在韓米軍司令官ロバート・エイブラムス大将(Incoming commander, Gen. Robert Abrams attends during a change-of-command ceremony for the United Nations Command, Combined Forces Command, and United States Forces Korea at Camp Humphreys.)

何が素晴らしいって、司令官の言葉「“Go hard, go early.”」ですよ。
韓国内では、初期に32名の感染者が確認された際、まだ韓国の国民一般にさほどの緊張感はありませんでした。このうちの1名が、自覚なく宗教団体の集団礼拝に行って事態は急変。一機に韓国内で感染者が爆発し、日々倍々に感染者が増えました。その増え始めの頃、海外にいる米国民の集団として、在韓米軍は初めてコロナ禍の洗礼を浴びました。ここで司令官は、「まだ早いのでは?」という周囲の声を捨ておいて、在韓米軍のステージを「公衆衛生の緊急事態」に上げ、米軍基地内の交通をストップ、米軍基地内のスーパーも入場を100名までに制限、米軍基地に出入りする韓国人現地雇労働者に休暇とし入門させず、ロックダウン状態に。しかし、その一方、在韓米軍の存在価値でもある、軍隊としての機能を維持できるよう、作戦遂行能力は落とさずに任務を遂行。例えば、航空機のパイロットや整備員は、平素のローテーションから、小チーム化したグループで管理し、仮に感染者が出ても、その小チームだけが数週間の安静待機をするだけで、他のチームがオペレーションを遂行できる態勢を維持しました。結果的に、米軍基地内で感染拡大を抑止し、封じ込めに成功。しかし、今でも気を緩めず、ゼロにするまで努力を続けるとのこと。これぞ、素晴らしいリーダーシップ。・・・このリーダーシップが今、日本にも求められています。

(了)

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2020/03/31

ロックダウン?否、日本人なら「自粛」で乗り切れる!

2020年3月30日(月)20時半過ぎに東京都知事が記者会見。
「4月1日から都がロックダウンする!」との噂が出まわっていましたが、どうやらデマのようで皆さん胸をなで下ろしていることと存じます。
とはいえ、東京はじめ首都圏の感染拡大抑止の状況は必ずしも良い方向には進んでおらず、まだピークを乗り越えたとは言えない状況であり、先が見えていませんね。志村けんさんのご逝去のニュースはショッキングでしたね。誰もが身近にコロナウイルスの脅威を肌で感じのではないでしょうか。数%の死亡率とは言え、志村さんのようについ先日までTVで元気な姿を見せていた方が、わずか数時間・数日のうちに病状が急に重篤になって亡くなるという現実を、まざまざと知ったのではないでしょうか。
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志村けんさんご逝去のニュース A man wearing a protective face mask walks past in front of a huge screen reporting death of Japanese comedian Ken Shimura, who died after being infected with the new coronavirus, in Osaka, western Japan March 30, 2020.(VOA記事2020年3月30日付「Popular Japanese Comedian Dies from Coronavirus」より)

 
TVのニュースで見るような欧米の「ロックダウン」が日本の首都圏でありうるとすれば、感染拡大阻止のための切り札ではあり、効き目はありますが最後の手段でもあります。予防的に早めにやるというよりは、もはや最悪の事態(パンデミックによる日本全体への蔓延、大量の死亡者、社会秩序の崩壊など)を避けるための、都市や国家として取り得る最後の手段です。そして、これは「諸刃の剣」であって、感染拡大阻止にも効く代わりに経済には大打撃。短くても数週間続くわけですから、日本にとって経済的に立ち直れない程の打撃になります。

まだ、日本はロックダウンという切り札を切るところまでの感染拡大ではないので、安倍首相や小池都知事が言うように、「ギリギリの重大局面」と認識して、ここを踏ん張ることが肝心です。
特に、日本の場合、ロックダウンという切り札は切らず、むしろ韓国型の自粛要請・勧告のより強力な推進でいく方向性の方が、国民性にもあっているのではないかと思われます。(韓国型の対策は後述部分をご参照ください。)日々の感染者数がこのまま増加の一途をたどる場合、また都知事が記者会見にてより強力な自粛要請をしてくるでしょう。都が近隣の県と共に「外出自粛」を求める方向はますます強まると思います。
よく、「日本はロックダウンは法制度上できない。強制力がない要請しかできない。」という人がいますが、それも非常事態における日本人の考えや行動を分かっていないと思います。確かに、日本は法制度上欧米のような強制力のある措置はできず、どっちみち要請がベースになります。しかし、日本人の素晴らしいところは、いざという時の協調性、危機に瀕しても利己的にならず周囲に配慮し、思いやりをもって自らを自制する国民性があるところです。東日本大震災でも随所で見られました。社会がコロナ禍で危機に信している状況では、首長が要請すると企業も個人も、その社会的責任をそれなりに自覚して、社会全体の求めに強調し、配慮をする国民なんですよ。私は日本人の国民性を信じています。

そこでご参考まで、 「韓国の例」です。(参照: 「韓国の大邱市はロックダウンにならなかったのになぜ東京が?東京と
大邱の比較!」( https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200328-00170137/ )より)

日本の場合、欧米のようにいざとなったら国家が市民を統制できる権限を有する国ではなく、統制せずとも「自粛」という極めて日本人的な社会全体への「忖度」「配慮」を重んじ、かつそれが機能する国なので、むしろ韓国の例が参考になると思います。
韓国は3月29日(日)現在で、前日比で105名増、累計で9,583名。世界で10番目。この韓国で最も感染者が拡大したのが大邱市。韓国の感染者の7割方を占める(3月27日の数字で6,516名)で、東京都の約21倍。死亡者(96名)も東京(5名)の約19倍。日本全体の国内感染者(1,467名)の約4.4倍。(ちなみに新興宗教団体「新天地イエス教会」で発生した集団感染がまさにこの大邱市)
 ・・・にも拘らず、韓国は国家としても都市としてロックダウンはしませんでした。最も感染大な大邱市も自粛で乗り切ています。端的には、空港、駅等の閉鎖など公共交通機関を止めておらず、主要幹道を物理的に止めておらず、警察が取り締まるなどの都市間の封鎖を行っておりません。

韓国の大邱市がとった処置及び市民に求めた規則はびっくりするような奇策ではなく、むしろ当たり前のことを当たり前のようにしっかりとやった、ということです。韓国人の真面目さ、協調性、危機に際した団結や自制心に心から拍手です。日本人も必ずできると思う所以です。
 
○ 大邱市がとった処置: 
 ・ 日常生活でのマスクの着用(2月18日)
 ・ 幼稚園の休園
 ・ 全ての集会の禁止
 ・ 新学期開校の2週間延長
 ・ 不要不急の外出の自制
 ・ クラブなど社交場やカラオケ店への営業自制の勧告
 ・ 自制しない場合の行政命令による集会や集合の禁止措置
 ・ 教会に対する4月5日までの礼拝中断
 ・ スポーツジム、映画館、小劇場に対する4月5日までの休業勧告、等

○ 大邱市が市民に求めた規則
 1.外出と移動は最小化し、集会はしばらく自粛する。
   ※ 宗教行事以外にもカラオケ、インターネットカッフェなど人が密集する営業店の運営を3月28日まで中断する。
 2.手洗いなどの個人衛生を徹底させ、食事の際のルールを順守する。
   ※ 手洗いと人との距離を2メートル空け、少し離れて食事をし、対話も少なくし、相手との間隔を空けるよう努める。
 3.症状がある場合は出退勤をせずに至急1339(疾病管理本部)もしくは保健所に電話する。
 4.完治者も隔離解除者も健康状態をチェックし、社会的距離を開けることに積極的に協力する。
 5.心理的距離は縮め、お互い安否を確認する。
   ※ 電話やメール、SNSなどで連絡を取る。

いかがですか?当たり前のことですよね。日本人なら自らの判断と努力で、「自粛」で乗り切れます。ロックダウンなんかより経済的にもまだ傷は小。日本人のど根性を見せましょう。                         

(了)

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