北朝鮮のXマスギフトの行方
クリスマスギフトと言うからには、本来イブ12月24日か当日25日なのに、誰も楽しみにはしていなかったものの、音沙汰ないと「あれ?」と勘ぐり始めるものです。
そう。北朝鮮が米朝交渉の進展の一方的な期限をこの年末とし、「進展がなないならXマスギフトを送るぞ」と恐喝していたのですから。
2019年12月26日付VOA記事「No North Korean ‘Christmas Gift’ Yet, But Deadline Looms」では、その「あれ?」を記事にしています。

North Korean leader Kim Jong Un speaks during the Third Enlarged Meeting of the Seventh Central Military Commission of the Workers' Party of Korea in this undated photo released Dec. 22, 2019, by North Korea's Korean Central News Agency.
(2019年12月26日付VOA記事「No North Korean ‘Christmas Gift’ Yet, But Deadline Looms」より)
<私見ながら>
米国政府も米軍も、公算大と思われていたのはICBMの発射。私見ながら、日本列島越しでハワイ近海や日本越しせずともグアム島近海に落下、さもなくば潜水艦発射弾道ミサイルであるのではないか思っていました。今のところないですね。このまま撃たないでしょうね。24日や25日に撃たずにどん詰まりの30日/31日にあるとも思えません。しかし、発言したからには実行するオプションはあったのだと思います。しかし、その後の国連での対北朝鮮決議の動きなどを見て、再考したのでしょうか・・・。
○ 年内に撃つか、もう撃たないか、で何が分かるか
「年内に撃つ」とすれば、本来はクリスマスに撃つつもりだったが、国内でも議論があって結論が出ず。或いは、実は米国と水面下で交渉をしていてクリスマスを持ち越したが、結局決裂したので、やはり撃つ。・・・というところでしょうか。
もし前者なら、まだ北朝鮮にもスタッフが議論するというシステムが残っているという朗報。金正恩の独裁と言いつつも、議論は存在するということ。或いは、部下の議論ではなく金正恩自身が決断を迷って機を逸し、しかしやはり撃つということです。何を迷ったか?が撃ったことで返って悪影響大で利益がないかも、と迷ったのだとしたら「初めから言うな」って話ですよね。
後者だとすれば、12月中も米国のビーガン北朝鮮政策特別代表(つい最近国務副長官に昇進)が交渉を追求していましたから、実はアンダーで調整を進めていたのかも。世に出ていないそれなりの交渉があって、クリスマス前には判断できず、しかしやはり決裂して、それで撃つことに…。なくはないでしょうが、ちょっと無理がありますね。
「もう撃たない」とすれば、スタッフの議論なのか、金自身の判断なのかで撃たないことに決めたのか、或いは、本当に対米交渉が進展したから撃たなかったのか、です。
議論にせよ、金正恩自身の迷いにせよ、対米交渉で進捗がないのに結局撃たなかったっていうのは中々興味深いですね。これまた「初めから言うなよ」という話。これまでも、北朝鮮は「ソウルを火の海にしてやる」とよく言ってきました。ソウルのみならず日本や米国も火の海って言ってましたが、それは脅しだけでした。あの頃、そう言われてもどの国もどうせ口だけだと思っていましたが・・・。だから今回もそうなのでしょうか。もう北朝鮮にもかなりの力がありますから、今回が口だけだったというのは、少し考えづらいですね。でも、今回も口だけだったというのなら、それはそれでホッとしますけどね。
或いは、既述のビーガン北朝鮮特別代表とのアンダーの交渉で一応の進捗、すなわちアンダーで経済制裁の一部解除とか事実上の支援策を獲得したので、だから撃たない、ということ。もし、そうだとすれば、その進捗はトランプが金正恩の脅しに屈したことになるので、世の中には伏せている、ということです。しかし、もし制裁解除などの進捗があれば北朝鮮は喧伝すると思いますが・・・。それが全くないので、米側から「内緒にしてね」と言われて了解してるってことですが。あれ?そう言えばビーガンが12月20日付で国務副長官に昇進しました。アンダーの交渉のご褒美?そうなの? ・・・いやぁ、それも考えづらいですね。
まだ数日ありますし、ハッピーニューイヤーでお年玉ってこともあるかもしれませんが・・・。
まぁ、トランプがよく言う言葉で言えば、We’ll see. じっくり見てみましょうか。
(了)


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そう。北朝鮮が米朝交渉の進展の一方的な期限をこの年末とし、「進展がなないならXマスギフトを送るぞ」と恐喝していたのですから。
2019年12月26日付VOA記事「No North Korean ‘Christmas Gift’ Yet, But Deadline Looms」では、その「あれ?」を記事にしています。

North Korean leader Kim Jong Un speaks during the Third Enlarged Meeting of the Seventh Central Military Commission of the Workers' Party of Korea in this undated photo released Dec. 22, 2019, by North Korea's Korean Central News Agency.
(2019年12月26日付VOA記事「No North Korean ‘Christmas Gift’ Yet, But Deadline Looms」より)
<私見ながら>
米国政府も米軍も、公算大と思われていたのはICBMの発射。私見ながら、日本列島越しでハワイ近海や日本越しせずともグアム島近海に落下、さもなくば潜水艦発射弾道ミサイルであるのではないか思っていました。今のところないですね。このまま撃たないでしょうね。24日や25日に撃たずにどん詰まりの30日/31日にあるとも思えません。しかし、発言したからには実行するオプションはあったのだと思います。しかし、その後の国連での対北朝鮮決議の動きなどを見て、再考したのでしょうか・・・。
○ 年内に撃つか、もう撃たないか、で何が分かるか
「年内に撃つ」とすれば、本来はクリスマスに撃つつもりだったが、国内でも議論があって結論が出ず。或いは、実は米国と水面下で交渉をしていてクリスマスを持ち越したが、結局決裂したので、やはり撃つ。・・・というところでしょうか。
もし前者なら、まだ北朝鮮にもスタッフが議論するというシステムが残っているという朗報。金正恩の独裁と言いつつも、議論は存在するということ。或いは、部下の議論ではなく金正恩自身が決断を迷って機を逸し、しかしやはり撃つということです。何を迷ったか?が撃ったことで返って悪影響大で利益がないかも、と迷ったのだとしたら「初めから言うな」って話ですよね。
後者だとすれば、12月中も米国のビーガン北朝鮮政策特別代表(つい最近国務副長官に昇進)が交渉を追求していましたから、実はアンダーで調整を進めていたのかも。世に出ていないそれなりの交渉があって、クリスマス前には判断できず、しかしやはり決裂して、それで撃つことに…。なくはないでしょうが、ちょっと無理がありますね。
「もう撃たない」とすれば、スタッフの議論なのか、金自身の判断なのかで撃たないことに決めたのか、或いは、本当に対米交渉が進展したから撃たなかったのか、です。
議論にせよ、金正恩自身の迷いにせよ、対米交渉で進捗がないのに結局撃たなかったっていうのは中々興味深いですね。これまた「初めから言うなよ」という話。これまでも、北朝鮮は「ソウルを火の海にしてやる」とよく言ってきました。ソウルのみならず日本や米国も火の海って言ってましたが、それは脅しだけでした。あの頃、そう言われてもどの国もどうせ口だけだと思っていましたが・・・。だから今回もそうなのでしょうか。もう北朝鮮にもかなりの力がありますから、今回が口だけだったというのは、少し考えづらいですね。でも、今回も口だけだったというのなら、それはそれでホッとしますけどね。
或いは、既述のビーガン北朝鮮特別代表とのアンダーの交渉で一応の進捗、すなわちアンダーで経済制裁の一部解除とか事実上の支援策を獲得したので、だから撃たない、ということ。もし、そうだとすれば、その進捗はトランプが金正恩の脅しに屈したことになるので、世の中には伏せている、ということです。しかし、もし制裁解除などの進捗があれば北朝鮮は喧伝すると思いますが・・・。それが全くないので、米側から「内緒にしてね」と言われて了解してるってことですが。あれ?そう言えばビーガンが12月20日付で国務副長官に昇進しました。アンダーの交渉のご褒美?そうなの? ・・・いやぁ、それも考えづらいですね。
まだ数日ありますし、ハッピーニューイヤーでお年玉ってこともあるかもしれませんが・・・。
まぁ、トランプがよく言う言葉で言えば、We’ll see. じっくり見てみましょうか。
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