ボルトン回顧録の功罪: 興味深いが守秘義務違反‼
トランプ米大統領の元補佐官ジョン・ボルトン氏の回顧録が大きな反響を呼んでいます。特に、大統領補佐官として仕えたトランプ大統領を「統合失調症患者のような考え」と批判してこき下ろすなど、大統領選挙の時期も時期だけに、非常に興味深い内容のようです。しかし、そもそも守秘義務違反でダメでしょ‼というお話。

(2019年9月11日付yahoo news記事「トランプ大統領、強硬派のボルトン大統領補佐官を解任。アメリカの対イラン、対北朝鮮政策は軟化か」より)
ボルトン氏はネオコンの超タカ派。これまでも、北朝鮮やイランを先制攻撃すべきだ!と主張することしばし。それでいて、父ブッシュ政権で国務次官補、息子ブッシュ政権で国務次官、後に国連大使など、重責を有するポストを歴任。そして2018年3月トランプ米大統領に請われて、マクマスター氏の後任として国家安全保障問題担当大統領補佐官についていました。しかし、外交・安全保障政策において大統領と方向性が合わず、解任とも辞任とも言われる辞め方をしています。
肝心の回顧録「The Room Where It Happened」は、2020年6月23日出版され、大好評。ナルホド非常に興味深く、面白い内容のようです。まだ実物を読んでいませんが、この回顧録を検索すると様々な角度から内容が伝えられています。
特に、トランプ米大統領の外交・安全保障分野での様々な裏話が満載。トランプ大統領の政策の最優先の考慮事項は自身の大統領選での再選であり、考えているのは大統領選のための国民(特に自身の支持者)へのPRのパフォーマンスばかり。およそ外交や安全保障の素養も基礎知識も哲学もなく、驚くほど幼稚な質問を外交の場で(本人は大まじめ)何度もかました模様。ボルトン氏はトランプを評して「統合失調症患者のような考え」と批判しています。
また、もう一つ目を引く内容として、米朝首脳会談を何とかマッチメイクしようと、韓国の文在寅大統領が我田引水的な策略を巡らした話には韓国も騒然としているようです。何と文政権は、米朝首脳会談を成り立たせるために、自身の高官を使ってトランプ米大統領にも金正恩にも相互に自分の出した条件に相手が同意しているかのようにウソをついて仲を取り持った模様。目下、文政権はボルトンの回顧録に猛然と抗議をしているようです。
ナルホド、この回顧録は読んだらとても面白いのだろうと思います。さぞ、この回顧録は売れるでしょうね。
しかしながら、これは反則ですよ。およそ外交・安全保障に携わった者が、自身が関わった外交・安全保障の課題について(しかもそのほとんどが今も直面している課題ばかり)、かくもペラペラと暴露することが許されるのか?信義に悖る問題ですね。
外交や安全保障における自らの政権内の喧々諤々の議論や、相手国との交渉における生々しいやりとりなどというものは、秘密中の秘密です。薄らぼんやりと、外に漏れ伝えられ、外野の記者や専門家が様々な憶測でいろいろと論じる、これは何を語ろうが問題ありません。しかし、仮にも米国大統領補佐官という立場にあった者が、自らが大統領を補佐する職務の中で携わった外交・安全保障上の裏話を回顧録に書いて公表するなんてありえないことですよ。なぜなら、その裏話の内容って、まだon-goingな外交・安全保障の課題でしょ?いま今の外交・安全保障の生ものの問題でまさに死活的国益がかかっている、人の命も関わっている重要課題ですよ。ペラペラ喋ってんじしゃねぇよ、バカ野郎‼という話です。
およそ外交・安保に携わった者は、脂っこい部分については公にすべきじゃありません。10年20年経ってから、当時仕えた大統領が亡くなるなど、もはや歴史になってから語るのなら分かります。間違いなく守秘義務違反、国家・国益に対する背信行為です。
この野郎は、二度と外交・安全保障の表舞台で仕事をさせたらいけませんね。トランプのことを評して「統合失調症患者のような考え」と言った言葉、吐いたツバは、そのまま本人の顔面にかかります。人のこと言えるのか?バカ野郎はお前だよ!
(了)


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(2019年9月11日付yahoo news記事「トランプ大統領、強硬派のボルトン大統領補佐官を解任。アメリカの対イラン、対北朝鮮政策は軟化か」より)
ボルトン氏はネオコンの超タカ派。これまでも、北朝鮮やイランを先制攻撃すべきだ!と主張することしばし。それでいて、父ブッシュ政権で国務次官補、息子ブッシュ政権で国務次官、後に国連大使など、重責を有するポストを歴任。そして2018年3月トランプ米大統領に請われて、マクマスター氏の後任として国家安全保障問題担当大統領補佐官についていました。しかし、外交・安全保障政策において大統領と方向性が合わず、解任とも辞任とも言われる辞め方をしています。
肝心の回顧録「The Room Where It Happened」は、2020年6月23日出版され、大好評。ナルホド非常に興味深く、面白い内容のようです。まだ実物を読んでいませんが、この回顧録を検索すると様々な角度から内容が伝えられています。
特に、トランプ米大統領の外交・安全保障分野での様々な裏話が満載。トランプ大統領の政策の最優先の考慮事項は自身の大統領選での再選であり、考えているのは大統領選のための国民(特に自身の支持者)へのPRのパフォーマンスばかり。およそ外交や安全保障の素養も基礎知識も哲学もなく、驚くほど幼稚な質問を外交の場で(本人は大まじめ)何度もかました模様。ボルトン氏はトランプを評して「統合失調症患者のような考え」と批判しています。
また、もう一つ目を引く内容として、米朝首脳会談を何とかマッチメイクしようと、韓国の文在寅大統領が我田引水的な策略を巡らした話には韓国も騒然としているようです。何と文政権は、米朝首脳会談を成り立たせるために、自身の高官を使ってトランプ米大統領にも金正恩にも相互に自分の出した条件に相手が同意しているかのようにウソをついて仲を取り持った模様。目下、文政権はボルトンの回顧録に猛然と抗議をしているようです。
ナルホド、この回顧録は読んだらとても面白いのだろうと思います。さぞ、この回顧録は売れるでしょうね。
しかしながら、これは反則ですよ。およそ外交・安全保障に携わった者が、自身が関わった外交・安全保障の課題について(しかもそのほとんどが今も直面している課題ばかり)、かくもペラペラと暴露することが許されるのか?信義に悖る問題ですね。
外交や安全保障における自らの政権内の喧々諤々の議論や、相手国との交渉における生々しいやりとりなどというものは、秘密中の秘密です。薄らぼんやりと、外に漏れ伝えられ、外野の記者や専門家が様々な憶測でいろいろと論じる、これは何を語ろうが問題ありません。しかし、仮にも米国大統領補佐官という立場にあった者が、自らが大統領を補佐する職務の中で携わった外交・安全保障上の裏話を回顧録に書いて公表するなんてありえないことですよ。なぜなら、その裏話の内容って、まだon-goingな外交・安全保障の課題でしょ?いま今の外交・安全保障の生ものの問題でまさに死活的国益がかかっている、人の命も関わっている重要課題ですよ。ペラペラ喋ってんじしゃねぇよ、バカ野郎‼という話です。
およそ外交・安保に携わった者は、脂っこい部分については公にすべきじゃありません。10年20年経ってから、当時仕えた大統領が亡くなるなど、もはや歴史になってから語るのなら分かります。間違いなく守秘義務違反、国家・国益に対する背信行為です。
この野郎は、二度と外交・安全保障の表舞台で仕事をさせたらいけませんね。トランプのことを評して「統合失調症患者のような考え」と言った言葉、吐いたツバは、そのまま本人の顔面にかかります。人のこと言えるのか?バカ野郎はお前だよ!
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