ウクライナ軍、南部戦線へルソンで反撃開始!:IAEAのザポリージャ原発調査は荒れますね
ウクライナ軍、南部戦線へルソンで反撃開始!
2022年8月29日、ウクライナ軍は南部戦線へルソン州での反撃を開始する、と発表しました。遂に南部戦線での反撃開始の模様です。ただし、反撃攻勢(counteroffensive)に必要な西側からの十分な装備品や弾薬が手元にあっての、満を持した攻撃開始ではなさそうなので、ハッキリ言って数日のうちにみるみる攻撃が進展してロシアを追いやっていく、という話しにはならないでしょう。今の戦力同士なら(ロシア軍は東部戦線ドンバス平原で戦っていた虎の子部隊を南部に転用しました)、南部のロシア軍は押されても結構抵抗するでしょうから、チビチビしか攻撃進展はないのではないかと推察します。「反撃開始」と言っても、テレビのニュースで大進撃を見れるわけではなく、数日後からちょっとずつの攻撃成果が地図上に見えてくる、という感じではないでしょうか。
時あたかもザポリージャ原発での出所不明の砲爆撃が続いており、ロシア・ウクライナ双方が相手側の原発への攻撃であると非難の応酬をしています。それを受け、原発における原子力災害の脅威があることから、IAEAが現地への調査が同日、現地に向けて出発しています。
いやー、これは荒れますね。だって、ザポリージャ原発の位置は南部戦線ヘルソン州に隣接していますから、ウクライナの攻勢とロシアの防御戦闘に関連して、火の粉が飛びまくりです。いやいや、プーチンのことですから、むしろこの時期にザポリージャ原発に来るというIAEA一行を狙って、ザポリージャ原発砲撃の下手人はウクライナ説の情報操作など、何か仕掛けてくるかも知れません。 そんなかんだで、IAEAの現地入りは恐らく手前で足止めを食らって入れない状況となるか、もしくは、ロシアの缶詰め型エスコートでザポリージャ原発入りし、終始を通じロシアからの情報操作を受けた缶詰型の調査となるか、…。いずれにせよ、IAEAは「これでは全く調査にならない」と不満を表明し、ロシアは「ウクライナの責任」と非難する図式になるしょうね。

(2022年8月29日付ISW Ukraine conflict updatesより)
ウクライナ軍が主張する「ザポリージャ原発を盾にするロシア軍」を画像が証明
上記の写真は、Maxar Technologies社がリリースした8月29日の衛星画像です。写真の赤い屋根はザポリージャ原発の原子炉で、写真の半分より上に右上がりに斜めに走っている渡り廊下を見てください。その屋根の真下にロシア軍の戦闘車両が一定の間隔で駐車してあります。本来真下なので上空から見えづらいはずですが、たまたま太陽の光と影の関係で日に当たって見えています。小さいので分かりづらいですが、画像を拡大してみてください。これを軍事用語で「隠蔽(いんぺい)・掩蔽(えんぺい)」(=隠蔽:何かの陰に身を隠す状態、掩蔽:何かを盾にして身を守る状態)と言います。
要するに、ロシア軍は、ザポリージャ原発が原発ゆえに攻撃してこないことを承知で、これを盾にして部隊を隠蔽・掩蔽に使い、ここからウクライナ軍を砲撃しているわけです。

ザポリージャ原発に調査に向かうグロッシIAEA事務局長ご一行。調査が無事に終了しますように。(2022年8月29日付グロッシ事務局長のtwitterより)
IAEAの調査の行方
IAEAの調査が来た際には、「安全上の事由から」との口実で、こうしたロシア軍の配置や隠蔽・掩蔽の場面は見せないでしょうね。
そして、IAEA調査団がいるうちに、意図的に「ウクライナ軍からの攻撃」を計画的に起こし、IAEA調査団を一時的に危険に晒したうえで(もしかしたら、数名はけが人が出るかも)、ロシア軍が彼らを守って安全な場所に避難させ、命拾いさせた上で、ウクライナの攻撃であった「証拠なるもの」を見せて、ウクライナの攻撃であることを信じ込ませる、…。こんな茶番劇を演じるでしょうね。
IAEA調査団の目的は、ウクライナかロシアか?いずれが原発砲撃の犯人か?を調査するのではなく、出所不明の砲撃の結果原子力災害にならないように、調査で原発の運営状況や問題点など現状を確認ののち、原発の安全性を確保するための提言をするものと存じます。なぜなら、8月25日~27日の間の砲撃で原発の原子炉から100mも離れていない建物が砲撃され、水処理施設が破損、更に火災が発生し、送電線が切断して電力供給が止まり非常用電源が作動する事態に。もしこの非常用電源に何かあれば、福島第一原発のようなメルトダウンに至ったかもしれませんでした。そうした原発の危険性を、どこまで理解して(恐らく理解してないと思いますが)砲撃しているのか?我々が現地を確認して、直ちに必要な処置を国際社会に訴えねば‼…、とIAEA職員は義侠心に燃えていると思います。
しかし、恐らく調査そのものは、そもそもザポリージャ原発に入れないか、あるいは入れてもロシア軍の缶詰型エスコートのため、満足のいく調査ができずに終わると思います。
南部戦線、へルソン州でのウクライナの反撃結果は、初期的には現地情報が錯綜していて、すぐには具体的な反撃進捗の絵が出てこないと思います。まぁ、数日後のですが吉報(「ちょっとずつの攻撃進展」程度の話だと思いますが)を待ちましょう。
頑張れ!ウクライナ
(了)


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2022年8月29日、ウクライナ軍は南部戦線へルソン州での反撃を開始する、と発表しました。遂に南部戦線での反撃開始の模様です。ただし、反撃攻勢(counteroffensive)に必要な西側からの十分な装備品や弾薬が手元にあっての、満を持した攻撃開始ではなさそうなので、ハッキリ言って数日のうちにみるみる攻撃が進展してロシアを追いやっていく、という話しにはならないでしょう。今の戦力同士なら(ロシア軍は東部戦線ドンバス平原で戦っていた虎の子部隊を南部に転用しました)、南部のロシア軍は押されても結構抵抗するでしょうから、チビチビしか攻撃進展はないのではないかと推察します。「反撃開始」と言っても、テレビのニュースで大進撃を見れるわけではなく、数日後からちょっとずつの攻撃成果が地図上に見えてくる、という感じではないでしょうか。
時あたかもザポリージャ原発での出所不明の砲爆撃が続いており、ロシア・ウクライナ双方が相手側の原発への攻撃であると非難の応酬をしています。それを受け、原発における原子力災害の脅威があることから、IAEAが現地への調査が同日、現地に向けて出発しています。
いやー、これは荒れますね。だって、ザポリージャ原発の位置は南部戦線ヘルソン州に隣接していますから、ウクライナの攻勢とロシアの防御戦闘に関連して、火の粉が飛びまくりです。いやいや、プーチンのことですから、むしろこの時期にザポリージャ原発に来るというIAEA一行を狙って、ザポリージャ原発砲撃の下手人はウクライナ説の情報操作など、何か仕掛けてくるかも知れません。 そんなかんだで、IAEAの現地入りは恐らく手前で足止めを食らって入れない状況となるか、もしくは、ロシアの缶詰め型エスコートでザポリージャ原発入りし、終始を通じロシアからの情報操作を受けた缶詰型の調査となるか、…。いずれにせよ、IAEAは「これでは全く調査にならない」と不満を表明し、ロシアは「ウクライナの責任」と非難する図式になるしょうね。

(2022年8月29日付ISW Ukraine conflict updatesより)
ウクライナ軍が主張する「ザポリージャ原発を盾にするロシア軍」を画像が証明
上記の写真は、Maxar Technologies社がリリースした8月29日の衛星画像です。写真の赤い屋根はザポリージャ原発の原子炉で、写真の半分より上に右上がりに斜めに走っている渡り廊下を見てください。その屋根の真下にロシア軍の戦闘車両が一定の間隔で駐車してあります。本来真下なので上空から見えづらいはずですが、たまたま太陽の光と影の関係で日に当たって見えています。小さいので分かりづらいですが、画像を拡大してみてください。これを軍事用語で「隠蔽(いんぺい)・掩蔽(えんぺい)」(=隠蔽:何かの陰に身を隠す状態、掩蔽:何かを盾にして身を守る状態)と言います。
要するに、ロシア軍は、ザポリージャ原発が原発ゆえに攻撃してこないことを承知で、これを盾にして部隊を隠蔽・掩蔽に使い、ここからウクライナ軍を砲撃しているわけです。

ザポリージャ原発に調査に向かうグロッシIAEA事務局長ご一行。調査が無事に終了しますように。(2022年8月29日付グロッシ事務局長のtwitterより)
IAEAの調査の行方
IAEAの調査が来た際には、「安全上の事由から」との口実で、こうしたロシア軍の配置や隠蔽・掩蔽の場面は見せないでしょうね。
そして、IAEA調査団がいるうちに、意図的に「ウクライナ軍からの攻撃」を計画的に起こし、IAEA調査団を一時的に危険に晒したうえで(もしかしたら、数名はけが人が出るかも)、ロシア軍が彼らを守って安全な場所に避難させ、命拾いさせた上で、ウクライナの攻撃であった「証拠なるもの」を見せて、ウクライナの攻撃であることを信じ込ませる、…。こんな茶番劇を演じるでしょうね。
IAEA調査団の目的は、ウクライナかロシアか?いずれが原発砲撃の犯人か?を調査するのではなく、出所不明の砲撃の結果原子力災害にならないように、調査で原発の運営状況や問題点など現状を確認ののち、原発の安全性を確保するための提言をするものと存じます。なぜなら、8月25日~27日の間の砲撃で原発の原子炉から100mも離れていない建物が砲撃され、水処理施設が破損、更に火災が発生し、送電線が切断して電力供給が止まり非常用電源が作動する事態に。もしこの非常用電源に何かあれば、福島第一原発のようなメルトダウンに至ったかもしれませんでした。そうした原発の危険性を、どこまで理解して(恐らく理解してないと思いますが)砲撃しているのか?我々が現地を確認して、直ちに必要な処置を国際社会に訴えねば‼…、とIAEA職員は義侠心に燃えていると思います。
しかし、恐らく調査そのものは、そもそもザポリージャ原発に入れないか、あるいは入れてもロシア軍の缶詰型エスコートのため、満足のいく調査ができずに終わると思います。
南部戦線、へルソン州でのウクライナの反撃結果は、初期的には現地情報が錯綜していて、すぐには具体的な反撃進捗の絵が出てこないと思います。まぁ、数日後のですが吉報(「ちょっとずつの攻撃進展」程度の話だと思いますが)を待ちましょう。
頑張れ!ウクライナ
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