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2020/02/13

フィリピンが米軍駐留拒否を発表

フィリピンが米軍駐留拒否を発表

フィリピンのドゥテルテ大統領が、2月10日(月)に在比米軍基地協定の撤回を公式に発表、米国にも伝達しました。同大統領が政権についてから何回もこうした動きはあったため、またかよという感はありますが今回は「公式」であり「米国より中国やロシアとの連携を望む」と同大統領の発言があり、エスパー米国防長官が批判的なコメントをするなど内外に波紋を呼んでいます。よく指摘されることですが、フィリピンという太平洋及び南シナ海上の戦略的重要性のある位置に在比米軍が撤退すると、必ずや中国の進出が不可避になります。ドゥテルテ大統領ことですから、カマをかけているのかも知れませんが、アジア太平洋地域の戦略環境が変わってしまうかもしれない大問題です。
(VOA2020年2月11日付記事「Philippines Breaks Major Security Agreement with US」及び「US Defense Secretary: Dissolving Philippines Military Pact a Move in 'Wrong Direction'」参照。下の写真も同記事から)
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Philippine President Rodrigo Duterte delivers a speech during the 11th Biennial National Convention and 22nd founding anniversary of the Chinese Filipino Business Club, Inc. in Manila, Philippines, Feb. 10, 2020.


<状況>
①2020年2月10日(月)、ドゥテルテ比大統領は在比華僑ビジネスクラブでのスピーチにて、在比米軍の地位協定である在比米軍駐留協定を撤回すると発言。これを裏付けるようにフィリピンの外相がツイッターにて正式に在比米国大使館に同趣旨の書簡を送付したことを明らかにした。

②同日、ブリュッセルにてNATOの会議にだ参加中のエスパー米国防長官は、「書簡が来たばかりなのでよく消化しないといけない。」と前置きしつつ、「間違った方向へ進んでいる」と不満を明らかにした。

<私見ながら>
◯ ドゥテルテとトランプは似ている
思うに、この二人は思考・行動パターンが似ていると思います。自国ファーストの考え方、過去の外交実績や経緯や外交習慣には捉われない非常識にも見える外交姿勢、時にブラフを使って大風呂敷を広げ高くふっかけ、時に相手国をボロカスに酷評し、舌の根も乾かないうちに賞賛したり、…。
今回の協定撤回も、国際情勢・戦略論的にはあり得ない非常識な話です。まだ発効中の協定を破棄するわけですから。またブラフか?とも思いますが、腹が読めないですね。

◯ 他方、今回の協定撤回発言の前に、トランプ米大統領と本件について内々で交渉が持たれたものの、結局折り合いつかず。ドゥテルテ大統領はそれについてトランプは信用ならないという発言をしています。しかし、米朝交渉よりは複雑ではないので、フィリピンを失うことの意義をトランプ大統領が理解していれば、交渉再開〜一転継続へ、ということも考えられます。

◯米軍がフィリピンから撤退すると中国を利するだけ
ドゥテルテ大統領の先のスピーチが為された場所が在比華僑の経済界の集いです。ドゥテルテ大統領は華僑を通じて中国に色目を使い、中国からも利を得ようという深謀遠慮でしょうね。しかし、それは危険。中国はウェルカムでしょうけど、米軍に代わって中国が南シナ海を挟んでフィリピンに軍港を貸与されたりしたら、戦略地図がガラッと変わります。南シナ海は中国の内海になってしまい、東沙・西沙・南沙各諸島は中国の事実上の軍事基地に変わっていくでしょう。フィリピンは短期的に中国から色々と支援を得れるでしょうが、中長期的には必ず後悔することになります。日本にとっても、多くのエネルギー含む戦略的重要性を持つ物資の海上輸送は中国に握られることを意味します。
何とか避けたいものです。
(了)


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