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2020/07/04

国家安全法下、香港を離れる活動家の無念の声を聞け!

国家安全法の猛威と活動家の離脱
 2020年6月30日、中国政府が香港国家安全維持法を正式に香港へ施行することとなり、香港では活動家狩りの渦中、香港の辻々で活動家達が武装警察に検挙されるシーンがマスコミの報道で伝えられる。このような中、民主デモの女神と言われたアグネス・チョウをはじめ、若手活動家が続々と活動組織の解散や離脱、そして香港を去る決意表明をしている。彼らは今後も海外から活動を継続するつもりだ、と言いつつもその目には闘志が感じられない。「最後まで戦う」と力強く語っていた彼らすら、現実に中国政府の国家権力の凄まじさを香港の街で見せつける状況を甘受せざるを得ない。すぐそばに迫る身の危険を痛切に感じての決心のようだ。悲しいかな、これが国際情勢の現実である。
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(写真)「香港国家安全維持法」をめぐり、香港では抗議行動が起こっている(2020年7月2日付BBC記事「【解説】香港の「国家安全法」なぜ人々をおびえさせるのか」より)

国家安全法下の香港人の恐怖
 実際、国家安全法の何が怖いのか?
 ザックリ言えば、国家安全法が施行された香港では、中央政府から見て離脱・転覆・テロ・外国勢力との結託に当たる行為は、国家に対する犯罪を犯したと見做され、最低3年、最高で無期懲役が科される。
 街に出て公然と反対を叫ぶ香港人が逮捕されているが、我々がマスコミを通じて目にするこうしたシーンはむしろ一部に過ぎず、ほとんどの一般の香港人は、これまで当たり前のように自由に声を上げていた香港のマスコミやオピニオンリーダー達と同様に、声を上げるのを控えているのだ。判断基準が曖昧なために、過去の発言等で既に目をつけられ、自分の今後の発言が逮捕の引き金になるやもしれないことに戦々恐々としているのだ。
 要するに、国家安全法の導入が香港の法制度の基盤を変えてしまったのだ。この法律には、香港内に国家安全法に基づく法と秩序維持のため、中央政府の法執行官が常駐することを認めている。もはや、「法と秩序」の判断基準は一国二制度に基づく香港スタンダードは通用せず、中央政府から見ての判断基準にとって変えられたのだ。文字通り中国の一部になってしまった。

活動家の無念
 民主派活動組織(政党)デモシスト(香港衆志)の党首ネイサン・ロー(羅冠聰)、民主デモの女神アグネス・チョウ(周庭)、不屈の闘志ジョシュア・ウォン (黄之鋒)らの脱退の弁は以下の通り。彼らの行間に無念が声が聞こえる。
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(写真)国際社会はチョウ(左)とウォンを見殺しにしたのか(写真は2019年8月、デモ扇動の疑いで逮捕され、釈放された2人) Anushree-REUTERS (2020年7月1日付Newsweek記事「Citing Safety, Hong Kong Democracy Groups Close Facing China Security Law」より)

 ネイサン・ロー(羅冠聰): (ロー氏は7月1日、ビデオリンクにて米下院外交委公聴会で証言した際、中国政府に収監されるのを恐れ、「香港に戻るのが心配だ」と発言。2日には香港を脱出し、「国際レベルでの擁護活動を継続していく。・・・リスクを鑑みて、今は私の個人的な居場所や状況についてはあまり明かさないことにする。」とメディアに声明。

 アグネス・チョウ(周庭): ツイッター
Agnes Chow 周庭    @chowtingagnes
私、周庭は、本日をもって、政治団体デモシストから脱退致します。これは重く、しかし、もう避けることができない決定です。
絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。
生きてさえいれば、希望があります。  周庭 2020年6月30日

 ジョシュア・ウォン(黃之鋒): ツイッター
Joshua Wong 黃之鋒   @joshuawongcf
I hereby declare withdrawing from Demosisto...
If my voice will not be heard soon, I hope that the international community will continue to speak up for Hong Kong and step up concrete efforts to defend our last bit of freedom.

 ジョシュア・ウォン氏のツイートの最後の一文が切ない。
 「もし、私の声が聞こえなくなったなら、国際社会が香港のために声を上げ、香港人の最後のささやかな自由を守る具体策のステップアップを願う。」
 中国政府が国家安全法を香港に導入することについて、国際社会は、外野での批判はしたものの結局はあまり声をあげることもなく受け入れてしまった。この現実を仕方なく受け入れつつも、それでもすがる思いで期待を示さざるを得ない、そんな彼らの無念の声が聞こえてくる。

(了)

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