FC2ブログ
2021/06/14

周庭さん釈放: インスタ真っ黒に見る心中

agnes chow
Agnes Chow (centre) has been dubbed the "goddess of democracy" by her supporters(2021年6月13日付BBC記事「Hong Kong activist Agnes Chow released from prison 」より)

周庭さん釈放
 2021年6月12日、香港の民主活動家周庭(アグネス・チョウ)さんが中国の香港国家安全維持法による実刑の刑期を終えて釈放されました。釈放後の一言を待っていた報道陣に取り囲まれ、周庭さんはやつれた表情を強張らせたまま、一言も残さずに支援者に付き添われて車で立ち去りました。その後、周庭さんはインスタにて、真っ黒な画像を載せ「苦しい半年と20日がようやく終わった。痩せて弱々しくなってしまったので、これからゆっくり体を休めたい」などとコメントを添えています。(参照:2021年6月13日付BBC記事「Hong Kong activist Agnes Chow released from prison 」)

周庭さんのインスタ
周庭さんのインスタグラム

インスタ真っ黒画像
 インスタに真っ黒な画像を投稿した周庭さん、私見ながら、心中察するに余りありますね。まさに真っ黒な画像が、周庭さんの気持ちを象徴しているように思えてなりません。
 
 今回の釈放は、12月の判決以来の周庭さんの刑務所内での行動が模範的であったため、本来判決通り10ヶ月のところ、刑期が短縮されたということですが、釈放後の顔を見れば論より証拠、決して晴れ晴れしい嬉しい釈放の日ではなかったようです。

 それというのも、釈放後も引き続き官憲は四六時中周庭さんをウォッチし続けます。周庭さんの行動や発言や電話連絡やネットアクセスは徹底的にチェックされ、本人のみならず連絡相手にも中国の香港国家安全維持法に基づく処罰の脅威が今後の生活に影を落としています。また、釈放前には刑務所にて「おまえ、分かっているだろうな?」と脅されていることは間違いないでしょう。もしかして、釈放に当たって取り引きがあったかも知れません。周庭さんは、仲間の民主活動家を売るようなことは絶対にしない代わりに、「釈放によって以前のように民主活動家のヒロイン・カリスマにならないよう大人しくしておけよ!また活動を再開して民主デモを扇動するようなら、いつでも逮捕・監禁して、今度はシャバに帰らさず、痛い目に合わせるぞ!お前だけじゃない、既に収監しているお前の仲間が苦しい立場になるんだぞ!」と脅されているのではないか、と推察しています。

 周庭さんが収監されていたのは「大欖女子懲教所」という殺人犯から麻薬常習犯などの重大犯罪で服役している受刑者が大勢いる場所でした。この刑務所内で洗濯作業に従事していたといいます。そこで模範囚であったから、というのが刑期短縮の理由とされています。周庭さんと同時期に収監された民主活動家らは53名いました。高名な黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは刑期13ヶ月半、林朗彦(アイヴァン・ラム)さんは刑期7ヶ月にて、それぞれ収監中です。周庭さんは刑期短縮で釈放されましたが、他の民主活動家らはほとんどがまだ刑務所に留め置かれ、どのような状態に置かれているのか不明です。中国では、収監中に何をされるか分からない国です。薬物を飲ませて廃人にした例もあります。新疆ウイグルの「教育施設?」という名の強制収監・洗脳施設で行われていることもしかり。(細部は私のブログ2020年12月30日付及び2021年2月17日付をご覧ください)それを見せられたのか、聞かせられたのか、周庭さんは言い聞かされて釈放されたのでしょう。

 中国政府は、まだ若い女性であり、香港の若者から民主の女神と人望の高く、国際的にも注目されているインフルエンサーの周庭さんを刑期短縮で釈放しました。「中国政府も話が分かるじゃないか・・・」との好感度アップを狙ったのかも。しかし、釈放する周庭さんには言って聞かせたでしょうね。

 万感の思いで釈放の日を迎えた周庭さん、釈放の場面では衰弱・憔悴した表情で記者たちに一切コメントをしなかった周庭さん、そしてインスタでの真っ黒な画像の投稿でした。釈放されても監視の目が常にある中、香港の民主活動家に明るい方向性は見えません。まだ24歳の彼女には背負いきれないプレッシャーではないでしょうか。今の気持ちを色にしたら「真っ黒」だったのかも知れないし、中国政府・香港政府に対する抗議の意味で「真っ黒」だったのかも知れないし、それらのないまぜな気持ちの象徴として「真っ黒」なのかも知れません。

 周庭さん、まずはゆっくりご静養ください。

(了)

にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村

国際政治・外交ランキング
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント