ウクライナ善戦の陰に米軍?:米軍仕込みのクロスドメイン作戦かも。しかしロシア猛攻へ。

ウクライナ・ルガンスク州で攻撃に備えるウクライナ軍(2022年2月24日撮影) (c)anatolii Stepanov / AFP
ウクライナ軍の善戦と米軍の影(仮説)
2022年2月25日から開始されたロシアのウクライナ侵攻。既に4日経過し、2月28日にキエフはじめ主要都市はいずれも占領されていません。ウクライナが善戦しているのは賞賛に値しますね。その勇戦敢闘ぶりには敬意を表します。ただ、世界最強の軍隊、特に世界最強のクロスドメイン(領域横断)作戦能力(※米軍はマルチドメインオペレーションションと呼称)を有するロシア軍の侵攻がうまくいっていないというのは、玄人的には俄に信じられない程、大変興味深い話です。
私見ながら、侵攻前までの数年間に、米軍がロシアのクリミア侵攻や親ロシア支配地域での戦闘を徹底的に研究して、ウクライナ軍に対し様々なクロスドメイン作戦の装備や訓練を施し、ウクライナ軍は米軍仕込みのクロスドメイン作戦により、まんまとウクライナを舐め切っていたロシア軍に作戦をクロスドメイン返ししたのではないか、と仮説ながら考えています。
この侵攻が終わって、様々な分析がなされると思いますが、その頃そうしたバックグラウンドがもれ伝わるのではないか、と思っています。
背景
背景を話すと長くなるのですが、手短に。
2014年のクリミア侵攻の際にはロシア版クロスドメイン作戦により、ロシア軍はものの見事にパーフェクトゲームをし、後にその作戦を調査した米軍が驚愕し、完全に装備から作戦運用まで「米軍はロシアに勝てない」とビビりまくった程です。このクロスドメイン作戦というのは、従前の陸海空の物理的な軍事行動に加えて、いわゆる情報作戦(従前の情報・諜報のみならずSNSやフェイク画像、フェイクニュースなども駆使)による国内外世論の我田引水、サイバー作戦や電磁波を駆使した作戦、更に宇宙空間も戦力にした作戦、などの多角的な領域の作戦を組み合わせた作戦概念です。ロシアの現参謀長ゲラシモフは、2013年に論文を発表、これをゲラシモフ・ドクトリンと称して、「世界の戦争のルールは変わったのだよ」と世界の軍隊に向けて高らかに勝利宣言していました。何だコイツ、と思っていたら2014年のクリミア侵攻で実戦争で証明したわけです。前述のように、米軍はクリミア侵攻とゲラシモフ・ドクトリン以降、ロシアへの遅れを取り戻すべく、軍・参(軍需産業)を挙げて粉骨砕身していました。この流れで、日本の防衛省・自衛隊も数年前からマルチドメインとかクロスドメインと言い出したわけです。
このような背景があるので、私見ながら、侵攻が始まればロシアは1日~数日の電撃戦で、主要都市は占領され、傀儡政権は成立し、ロシアの言うことを聞く新生ウクライナ人民共和国が成立する、と思っていました。現実主義者の悪いところですね。
注目すべきは道路や屋根に突き刺さる爆発してないロケット弾
ニュース映像でよく出る場面として、ロシアのミサイルやロケットが道路上や民家の屋根を突き破って爆発せずにロケットっぽい形状を残して突き刺さっている風景がありますよね。また、ロシアは「市街地を攻撃しない、軍事目標だけだ」と言ったのに市街地の高層アパートにロケットだかミサイルが突っ込んで爆発している場面もよく目にします。アホなマスコミのレポーターは「ロシアが市民を巻き添えに無差別攻撃をしている」ようなことを言っていますが、ロシア軍は世界が注目している今回の侵攻でそんな無手勝流なことはしません。私見ながら、ロシアが無差別攻撃をしているのではなく、ロシア軍は軍事目標に対して射撃したのに、米軍仕込みのクロスドメイン作戦により、特に電磁波領域の攻撃により、その精密誘導機能を妨害或いは破壊して目標を外させ、誘導不能状態で落ち、しかも爆発しない状態で突き刺さったもの、と考えられます。俄かに信じていただけないかもしれませんが、クリミア侵攻の際、まさにロシア軍がウクライナ軍に対してこの電磁波攻撃でウクライナ軍の誘導兵器はいかれてしまい、今回のように爆発せずに突き刺さっていたシーンが多くあったのです。もっとすごいのは、ウクライナ軍の無線通信を探知し、その発信源に数分後には精密誘導弾が落ちたのです。また、ウクライナ軍の司令官の奥さんに電話して「息子さんが大怪我した」と知らせ、その奥さんが司令官と電話で話した発信源を探知して精密誘導弾が直撃、とか。ロシア恐るべしでしょ!そういう時代なんですよ。今回、ニュースに出てきませんが、ウクライナはトルコや西側諸国から優秀なドローンや対ドローン妨害電波の装備を入れていますから、ドローン戦でもクリミアの雪辱を晴らしていると思います。更に、ウクライナ発の映像で、捕虜ないし投降したロシア兵が「訓練だと言われて命令通り前進したらウクライナへの侵攻だった。この戦争は間違っている。ロシアはこの戦争を止めるべきだ」などとコメントしている画像がネットを介して世界に、そしてロシアにも流れています。これこそクロスドメイン作戦です。
今後、ロシア軍とプーチンは猛攻してくる
初戦においてウクライナ軍が勇戦敢闘しているとして、それは賞賛すべきですが、ロシア軍とプーチンを舐めてはいけません。プーチンは今激怒しているでしょう。ゲラシモフ参謀長はケチョンケチョンに叱責されているでしょう。あたかも鬼滅の刃の無惨様に報告に行った猗窩座状態。そしてゲラシモフは「了解しました。直ちに侵攻作戦のスピードを上げ、いついつまでに当初の作戦目標を達成します。」と約束させられていることでしょう。このあと、ロシア軍が全力を挙げて苛烈なる総攻撃を仕掛けてきます。ベラルーシも参戦するでしょうね。今後数日でロシアが猛攻を開始し、首都キエフを含む主要都市を占領し、ゼレンスキーは暗殺、もしくは拘束されて濡れ衣を着せられ、世界に自己批判をする映像を流され、葬られるでしょう。そして親ロシア派による救国臨時政府が成立し、新生ウクライナ政府がロシアに要請しているという図式でロシア軍による旧ウクライナ政府軍の残党の掃討作戦に移り、国内はロシア治安部隊が治安維持の名目で監視社会になるでしょう。親欧米派は治安部隊に徹底的に検挙され駆逐されます。その他大勢の国民は、何とか国外に逃げるか、全てを諦め声を発さず新生ウクライナ政府に従うか。・・・と現実主義者は妄想しています。
「えっ?停戦交渉始めたってニュースで言ってたよ!世界的な反戦・ロシア非難・プーチン批判のデモやSWIFTなどの厳しい経済制裁でプーチンも停戦を求めるだろうってニュースで言ってたよ!」という声が上がりそうですが、そんなのプーチンにとって今に始まった事ではありません。カエルのツラに小便。停戦交渉もプーチンのブラフですよ。国内外への和平交渉努力PR=アリバイ工作ですよ。プーチンが自分が決断して始めた侵攻作戦を、こんな中途半端な形で収束するわけがありません。必ず手痛い仕返しをしてきます。今後の作戦は、クロスドメインもヘチマもあったもんじゃない。国際的な批判があろうが何だろうが、残虐非道な純物理的な力づくの流血戦になると思います。今後は流血の市街戦になるでしょう。市民も火炎瓶を準備するなど国民を挙げた抵抗をする気でしょうが、残酷なロシア軍はライフラインを潰して市民生活を成り立たせない手を取るでしょう。この寒さの中、暖房も電気も水も絶たれ食料も医薬品もなく、市民はやむなく市街戦からの退避するしかありません。ウクライナ軍の作戦は住民保護も兼ねて益々苦しい戦いになるでしょう。
残酷なようですが、初戦の善戦が災いしてロシアを本気にした形ですね。
希望の光があるとすれば
但し、プーチンも焦ってきているのは確かでしょう。なんぼロシアの残虐な猛攻があろうが、ウクライナ軍のクロスドメイン作戦と勇戦敢闘、市民の火炎瓶などによる根強い抵抗、そして西側からの帰還ウクライナ兵や各国からの義勇兵、西側の根強い支援でウクライナ紛争を長期化させましょう。デンマーク首相が義勇兵参加を国家として認めた、というニュースも耳にしました。(私も、行けるなら義勇兵で行ってみたいですよ。言葉が通じないか。)加えて、世界各国からのロシア非難とロシアの国際的孤立化。さすがのプーチンも剛を煮やして妥協の道を探らせる….。そんなシナリオが希望の光ですかね。現実主義者の私には、希望の光は微かにしか見えませんが、灯っているのは確かです。
頑張れ、ウクライナ‼ 行けるなら義勇兵で行きたいですね。
(了)


にほんブログ村

国際政治・外交ランキング
スポンサーサイト
コメント
No title
侵略の可能性があると知りながらアメリカは何をしたか。
それは、大騒ぎして自国民を慌てて引き上げた。愚策である。
プーチンとすれば、アメリカから「アメリカ国民は引き上げて被害はありませんから、好きなようにして下さい」と言われているようなもの。
これだけおぜん立てされて侵略しなかったら、ロシアの威信は地に堕ちる。アメリカは怯えて早々に逃げるのではなく逆に人をおくりこむべきだった。台湾で有事が起きても然り。外国人が大勢いれば侵略できないのである。
2022-03-02 17:18 k.miyamoto URL 編集
No title
2022-03-02 22:56 an old soldier URL 編集
No title
ロシアはウクライナ人保護を旗印にしているので、市街地戦を避けている。だから侵攻速度は遅く、街頭カメラによるライブ配信では平穏な市街地が映り続けています。
ロシアはウクライナ軍へのピンポイント攻撃を行なっているので、ウクライナ側の従軍ジャーナリストは被害状況を配信できます。ウクライナ軍は市街地にいますので、市民への無差別攻撃と宣伝されてしまいます。
2022-03-05 07:05 URL 編集