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2018/10/21

平成30年度「防衛白書」をザックリ解説: ①30年度版の全体像

<平成30年度防衛白書が8月28日に発表されました。>
 毎年8月末にマスコミに発表、9月末に政府刊行物が発行されています。
 今回は表紙が写真含めカラフルだったものからシンプルなものに一新。
 今年度白書のザックリとした特性及びマスコミ論調をまとめてみました。
hyoushi.jpg
(平成30年度「防衛白書」の表紙)

<本年度の防衛白書の特性> 
 白書は三部構成なので各部ごとのザックリとした特性をまとめました。
 (※)部分は私見ながらのコメントを付け加えてみました。

① 安全保障環境の認識 
 ○北朝鮮:
   「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」
   (※昨年度と同様ながら「これまでにない」という表現を付加)
 ○中国:
   一方的な軍事活動エスカレートは国際社会の懸念
   (※昨年度の「国際社会に課題を残す」から一歩踏み込んで「懸念」
   と表現したようです。)
 ○ロシア:
   軍事活動活発化に対し動向を注視
   (※昨年度はロシアについて強調せず。本年度は中朝と並べて脅威と認識かも。)
 ○米国:
   自由で開かれたインド太平洋を標榜
   北朝鮮とは交渉しつつも非核化具体化まで制裁維持
   中国の海洋進出に対し、「航行の自由作戦」等で関与 
   (※進展を見た米朝交渉、インド洋における対中姿勢を反映)
 ○宇宙空間、サイバー空間: 
   各国とも同空間の軍事的優位確保のため能力を開発・向上中
   (※昨年度も一般的記述はあったが、本年度は宇宙・サイバーを強調)

②安保・防衛政策と日米同盟
 ○防衛計画の大綱の見直し:
   30年度末に大綱見直しを目途に検討中
   (※現大綱は5年前に安倍政権になって民衆党政権下の前大綱を一新。
   次期大綱では、陸海空+宇宙・サイバー・電磁空間も含む多次元横断的な
   防衛力を整備する方向なのでしょうね。
   恐らく、米軍のマルチドメインバトル構想との連携でしょうね。)
 ○日米同盟強化の取組:
   「日米同盟はアジア太平洋地域、世界の安定と繁栄のための『公共財』」
   (※どっかのマスコミがここに着目しましたが、昨年度と同様ですよ。)

③国民の生命財産、領土領空領海を守り抜くための取組
 ○実効的な抑止と対処:
   弾道ミサイル防衛強化のため陸上配備型イージス・アショア導入へ
   (※買わされる感は否めないもののBMD体制は確実に強化されますね。) 
 ○安保協力の積極的推進:
   二国間・多国間の防衛協力・交流、国際平和協力活動を推進
   (※昨年度は「戦略的な国際防衛協力」とまで強調していましたが、
   南スーダンPKO撤収後、アピールするネタがないのでトーンダウン。)

 ※ デジタル時代を意識した粋な配慮
  蛇足ながら一言、今回、特に目を引いたのはこれですね。
  9月末に政府刊行物として発刊のほか、
  youtubeでも概要説明動画、
  HTMLや電子書籍でも全文無料提供されています。
  スマホ用のダイジェスト版までありますよ。
  いやー、粋なことするようになりましたね、防衛省も。
 
<マスコミ論調>
 ○多くの新聞が、
   「北朝鮮は『これまでにない重大かつ差し迫った脅威』」という部分に着目
 ○裏読みをする日経、東京、等は 
   「陸上イージスを念頭」という部分に着目
 ○中国の反応、
   「『拡張』や『野心』というレッテルを中国に貼ることはできない。・・・
   中国側の正常な海洋活動に対してとやかく言うのは全く根拠がなく、
   極めて無責任・・・・
   日本側が自らの軍備拡充のために様々な口実を探し求めないことを望む。」
   (8/28華報道官)
 ○韓国の反応
   韓国外交部は
   「わが固有の領土である独島に対する不当な領有権主張を繰り返した
   ことに強く抗議し、直ちに撤回することを求める」
   とする報道官論評を発表
   (8/28聯合ニュース)

 まぁザックリ、こんなところでしょうか。
 今回が全体像でしたので、次回から、白書の細部の内容、
 「北朝鮮」、「中国」等々の内容をザックリとした概説を試みます。

 (了)

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