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2019/06/21

米国-イランの緊迫の行方

  6月13日、安倍首相がイランの最高指導者ハメネイ師と会見している折も折に、米国の主張ではイランが仕掛けたテロにより、日本国籍を含むタンカーがホルムズ海峡で攻撃を受けました。米国は、これが証拠だという映像を示し、イラン革命防衛隊のボートがタンカーから不発だった爆発物を取り除く作業をした、と説明。ホルムズ海峡におけるイランの脅威に対する国際的な取り組みの必要性を訴える米国。他方、ハメネイ師もトランプ大統領とは交渉すらしないと、一歩も退かない状況。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の30%はここを通るという原油銀座なのに、今や世界で一番緊迫した海となっています。この一触即発の状況下、米国はイランと戦争になるのでしょうか?
  ある友人からのオーダーにて、今回は、①そもそもイラン核合意とは?、②米国トランプ大統領が離脱したのはなぜか?、③トランプ大統領の真の狙いは何か?、④今後の展望は?、というお話しを。
tanker attacked
ホルムズ海峡で攻撃され炎上するタンカー(Before It's News, 2019年6月13日付、”Live Streaming: False Flag Pretext for War? Oil Tankers Attacked in Strait of Hormuz - Drone Footage”より)


<ポイント>
① そもそもイラン核合意とは?
  イランが2002年に核開発発覚して以降、10年以上かかって2015年にやっと常任安保理国等6ケ国と合意。イランに核(兵器)開発を諦めさせIAEA査察を受けさせる代わりに、経済制裁を解除した。

② トランプ米国大統領はなぜ核合意から離脱?
  実はイランは核合意に違反はしていないため、今回の米国の離脱に他の合意国は米国に同意できない。米国は一方的に離脱した形だが、トランプ大統領は核合意以降のイランのホルムズ海峡での敵対行為やシリア、イエメン等でのシーア派過激グループの黒幕としての暗躍が地域の脅威となっており許せない。しかしその考えの背景には、トランプとサウジ皇太子のトップセールスやイスラエルの影が。

③ トランプ大統領の離脱の狙いは?
  トランプの狙いは、イランの核開発の断念ではなく、イランの弱体化。他方で、このまま現在の緊張から戦争へ突入することを望んではいない。地域の脅威にならない弱体化こそが望ましい。

④ 今後の展望は?
  米国もイランもお互い戦争を望んでいない。では戦争になるようなことはないか、というとそこが霧の中fog of war。偶発、暴発はあり得る。双方に何ならやるぞ!というタカ派が存在。米国とイランの戦争を目論む者は相互に存在し、米国には戦って勝つ議論も存在。しかし、イランは底力のある国なので、もし戦争になればベトナム、アフガン、イラクのように泥沼化は必至。これが原油銀座なので影響大。安倍さんの努力は決して茶番ではない。

<説明>
① イラン核合意
  現在懸案となっているホルムズ海峡の緊張は、最近始まったわけではなく1970年代のイランのパーレビ国王の油田国有化の頃からこれまでに数度も緊張化。それこそ、10数年前の2002年イランの核開発発覚の頃、緊張~制裁~反発~交渉~決裂の繰り返しで相当の緊張度でした。それが10年余りの歳月を経てやっと核合意がなったわけです。この間、イラン版トランプのようなアフマディネジャド政権は、似ても焼いても食えない言説を繰り返し、核開発を秘匿しつつ推進。米欧との緊張は相当なものでした。この頃、まさにイランは北朝鮮に核技術を供与したものと考えられています。しかし、経済制裁も10年越しでイランを苦しめ、一応話の通じるロウハニ政権に移行して2年の交渉を経て、2015年7月常任安保理事国5ケ国+ドイツ(P5+1と呼ばれる)と核協議が合意し、制裁を解除されます。
  問題の焦点は、イランの自称「平和利用の核開発」=米欧の懸念する「核兵器開発」で、本質的にはイランのウラン濃縮・再処理技術の開発です。イランは「医療用アイソトープ生産のための電力確保」と言いつつ、原子炉用なら低濃縮で十分なのに、20%までの高濃縮技術を開発し、更に自称80%まで可能だったそうです。ちなみに90%もの高濃縮ウランは核弾頭にしか使えません。どう考えても核兵器開発だったのだろうと思われますが、イラン革命時の宗教上の絶対権力者ホメイニ師は核兵器はイスラム法の教義から「悪」と判断、イラン革命の時点での核開発チームは解散したほどです。アフマディネジャド大統領も、核兵器を作らない旨度々発言していました。口では開発していないと言いつつ、国内の開発現場は米欧イスラエルの情報機関から開発の証拠が指摘されました。イスラエルはsurgical-airstrike外科手術的航空攻撃を主張し、米国に止められています。その代り米国が業を煮やして秘密裏に遂行したのが、サイバー攻撃によるウラン濃縮施設の機能破壊でした。

  私のブログの2019年3月25日付「東京五輪を狙ったサイバー戦は始まっている」でお話しした内容を再録しますと以下の通り。
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  2000年代ヒトケタの頃、イランの核開発問題がイスラエルにとって焦眉の急の問題であった。イスラエルは米国に空爆の了承を求めたが米国は首を縦に振らず。その代わりがこのサイバー攻撃だった、と言われている。米国・イスラエルの共同作戦、コードネーム「オリンピックゲーム」の始まり。一説によると、・・・ある日、イランの核施設の職員がUSBメモリーを見つける。研究者のものらしい表示もあったので、エクスプロラーでショートカットファイルの閲覧によりファイルの名前だけでも確認しようと、USBを施設内のPCに差し込む。実はここにはwindowsの当時未知の脆弱性があり、USBを差し込んだだけで自動的にプログラム実行となり、マルウェアは侵入に成功した。このマルウェアはウラン濃縮のための遠心分離機を制御するドイツのシーメンス社製の小さな器材を探し、身を隠して感染に気付かせない。この器材に至って初めて器材を冒すプログラムを書き換える。そして、モニターには正常な運転状況であることを示す信号を再生しつつ、実は速くなったり遅くなったりのギリギリの異常を引き起こす。これにより2009年後半~2010年初頭に1000台もの遠心分離機が破壊され、イランの核開発を大幅に遅延させる状況に至らせた(※このマルウェアの凄いところは、決して核物質満載の遠心分離器を爆発させるような破滅的破壊をさせず、コントロールされた節度ある暴走でウラン濃縮ができなくしてしまうというシロモノだったこと)。イランの研究者達は何が起きたのかすら気づかなかった、と言われるほどの巧妙さだった。このマルウェアはStuxnetという米国国家安全保障局NSA(及びイスラエル当局)が作成した傑作マルウェアだった。イランの核施設のPCがOSとして使っているwindowsのまだ未知の脆弱性の情報を使い、そこを突いたエクスプロイトコードが浸透した。しかも遠心分離機の制御装置がドイツシーメンス社製の特定機種の器材と知っていて、それのみを狙い撃ちに、その器材の未知の脆弱性を突いた。
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  当時のオバマ政権もイランには業を煮やし、実にイランも曲者ぶりを発揮、苦心惨憺の挙句に合意に至ります。その内容は、イランは核濃縮施設の縮小、軍事施設を含むIAEA査察を受け入れることで核高濃縮の開発を断念、代わりに経済制裁を解除、更に平和利用の核開発、ミサイルを含む兵器開発や武器輸出などは禁じていない、という合意でした。ロウハニ大統領はハメネイ氏から核開発を守ったことを慰労されたと言います。

② トランプ大統領、核合意からの離脱へ
  まさにこの核合意がトランプ大統領はじめボルトンらネオコン連中が許せないオバマの「失政」だったわけです。合意してはいけないレベルで合意した、これが故にイランは国力を回復し、ドイツをはじめ欧州各国はイランと経済の結びつきを強め、イランは背後で動乱中のイラクやシリアのシーア派を支援して影響力を伸ばし、イエメンでも反政府フーシ派を全面支援し、サウジとの代理戦争を演じ、レバノン、パレスチナではヒズボラはじめシーア派系を支援して地域の脅威を高める、・・・しかもホルムズ海峡において軍事的脅威を顕在化させる、しかもタンカーの航行を攻撃してくるのではないかという脅威まで・・・。トランプ大統領からはこのように見えるのです。ゆえに合意離脱を宣言するに至りました。
  しかし、欧州各国やロシアからすれば、イランは何も核合意違反をしておらず、いくら米側の政権交代があったとはいえ、トランプ大統領の核合意からの離脱は余りに一方的で理不尽に映ります。安倍さんのイラン訪問時のタンカー攻撃にしても、証拠映像を示して国際的対応を呼びかけても、さすがに乗れる話ではありませんね。
  以下は私の私見ですが、トランプ大統領の対イラク政策の背景には、やたらと関係の密接なサウジアラビアの実権を握るモハメド皇太子と、そしてもう一人イスラエルのネタニエフ大統領の影があって、トランプさんはそれぞれと対イランで握っているのでしょう。それが証拠には、2019年初めに、カショーギ氏暗殺事件関与の懸念から米議会が与野党が超党派で決議したサウジ主導のイエメンでの軍事作戦への支援の中止に対し、トランプ大統領は拒否権を発動。更に、2018年(昨年)3月の核合意離脱以来のホルムズ海峡の緊張やイランの地域的脅威を理由に、サウジの防衛力強化のための81億ドルもの武器供与を実施。この淵源は2018年3月のムハンマド皇太子訪米時のトランプ大統領との武器と原発のトップセールスです。(※私のブログ2019年2月23日付「サウジへ原発を売るトランプの危うさ」参照)握ってやがるんですよ。イランの地域的脅威や核合意離脱後のホルムズ海峡の緊張?それに対応するためにサウジ防衛力強化をする?トランプさん、その緊張って貴方が作り上げたし、そこで武器供与するんじゃ「マッチ・ポンプ」ではないですか?自分で火をつけておいて、サウジに武器を売って火を消させるの?って話ですよね。ムハンマド皇太子は強力な武器と原発を手にする訳です。もう一つ、イスラエルの対イラン政策に同調するするのは、米大統領選挙のためのユダヤ票の確保でしょう。トランプさんは、米国のユダヤ系の心を鷲掴みする布石も打ってきましたよ。在イスラエル米大使館のエルサレム移転、これは係争地エルサレムをイスラエルの首都として公認することになります。世界各国、国連も非難しましたが…。

③ 核合意離脱の狙い
  ここまでお話しすると、ほぼ②と被る内容かも知れませんが、トランプ大統領の核合意離脱の狙いはイランの核開発の断念ではありません。イランの弱体化です。イランが、中東地域でもはや脅威にならない程に弱体化させることが狙いです。核開発断念?非核化?政権交代?いえいえ、下手に政権交代してまた反米一辺倒の過激派政権ができては何の意味もない。あるべき姿は弱いイランです。もう国外のシーア派勢力を支援できない、何の影響力も及ぼせない、そんなイランです。それこそがサウジやイスラエルも望むもの。戦争も望んでいません。弱体化するまで、イランの石油を米国は買わず、他国にも買わせず(買ったら米国がその国を制裁)、イランを支援させず、弱らせる。・・・なんと極悪非道なやり方でしょうか。
  しかし、トランプ大統領という男は結構切れ者ですよ。この核合意に対して、なぜ「破棄」ではなく「離脱」なのか?この辺が実に深謀遠慮なのです。破棄だったら、イランも合意を守る必要はなくなりますよね。しかし、離脱ですから、他のP5+1国とは合意が生きています。もって、イランは引き続き合意を守ることが求められます。米国だけ抜けたのです。イランが核合意を反故にした場合、米国に対イラン包囲網の大義名分を与えることになります。こんな妙案を考えるスタッフがまだトランプの周囲に残っていたのが驚きです。イランも大人しい国ではないので、強気に核濃縮技術の凍結を解除するぞと言い出しています。英仏独は、建前上の核合意は維持の構えながら、事実上米国に追従するのかどうか、米国とイランの狭間でどう身を処すか悩んでいます。

④ 今後の展望
  トランプ大統領の目論みはともかく、一寸先はfog of warなのが国際情勢・安全保障の世界です。米国は戦争を望まず、イランも戦争を望んではいません。であれば、戦争は起こり得ず沈静化?トランプ大統領の望む弱体化したイランが実現して幕が下りる?そうは簡単に行きません。「展望」といいつつ、展望を困難にする要因をお話します。

  まず、他の要因を考慮しない白紙的な軍事的緊張状態を想定してみましょう。しかも、ホルムズ海峡のような比較的狭い正面で、相互に敵視する彼我が対峙する状況です。軍事的に睨み合うような緊迫の海峡では、偶発や暴発による軍事衝突は十分起こり得ます。相互に緊張下で構えていますから、それが何かの間違いであっても、敵の攻撃か?と思えるような動きがあった瞬間、疑心暗鬼から衝突に至ることは緊張が高いほどありえます。6月20日の米軍グローバルホークが「イランの領空に入った」としてイラン革命防衛隊から撃墜されたのも当然の話。無人機だからよかったのですが、これが生命を含むとお互いに引っ込みがつかなくなるでしょう。今のところトランプさんも大人の対応をしています。

  偶発や暴発のリスクを下げるには、そうならないように無用の緊張を上げないことが肝要です。昨年までは無用の緊張を上げない歯止めとなるスタッフがトランプの下にいました。
  2018年3月まではマティス国防長官、ティラーソン国務長官、マクマスター大統領補佐官のトランプ政権内のバランサーとして機能していましたが、トランプはやりたいようにやらせてくれないティラーソン、マクマスターの両氏を事実上の更迭をし、核合意から離脱。以降、歯止めにならないどころか、歯止めの代りに入ったのがイケイケだったのです。まぁ、トランプさんが自分のやりたいことをやりたいようにやるための道具として、頭の悪いただのタカ派のネオコンの生き残りボルトンが大統領補佐官に、同じくネオコンのポンペイオが国務長官に据え、大統領はトランプ体制を布陣しました。2018年12月まではマティス国防長官が在任でしたので、唯一の良心として、トランプに最後の歯止めを掛けてきました。これも2018年末に事実上の解任となり、今やネオコンコンビが活躍していますが、ボルトン大統領補佐官はイランとの戦争を厭わない、否戦争を望んでいる馬鹿野郎です。戦って勝つから結果オーライなのだと考えるほど馬鹿野郎です。まだマティス国防長官の在任間、ボルトンはホルムズ海峡の緊張を理由に空母を送る際、追加の陸上戦闘要員を万単位で要求しマティス国防長官にコテンパンに怒られ、増員は1500名まで切り詰められた経緯があるほどです。その政権内の良心も去り、今や歯止め役がいません。国防長官代行のシャナハン氏はただの気の弱い官僚なので、トランプの下でイエスマンでいられても、国防長官の重責が果たせないし本人も自分の力量を自覚してならないでしょう。
  今は体を張ってトランプを引きとどめるようなスタッフはいません。むしろボルトン大統領補佐官のように、勇ましい発言や挑発をすることこそあれ、今のトランプ政権にはその歯止めが存在しないのは怖い状況です。危ないですね。

  更に、双方に「何ならやるぞ!」という過激派、タカ派、戦争で利することを目論む連中が存在すること。困ったことに、米国には戦って勝つ議論すら存在していることには閉口ですね。
  中東・アラブには大人の話には全くのらない、道理の効かない、戦争をも厭わない過激なグループが、イラン(シーア派)にもサウジ(スンニー派)にも存在します。今回の安倍首相イラン訪問間のタンカー攻撃にしても、これが米国のマッチポンプならあまりに子供だましですので、いくらなんでも米国政府でもイラン政府でもないと考えています。両政府ではないと仮定したら、考えられる犯人は、イランかサウジの過激グループでしょう。米国の提供映像が本当にイラン革命防衛隊だとすれば、イラン国家の指示ではなく反米・憂国の思いに決起した青年将校らのテロであった可能性は十分考えられます。イラン軍を装ったサウジの反イラン・反シーア派の過激グループが、安倍首相の仲介を台なしにすることを企図した犯行というのも十分考えられます。彼らは、それが元で軍同士の衝突になってしまったとしても、むしろジハード・聖戦なのでwelcomeなのです。
  また、いつの世でもどの国にも、超愛国的に好戦的な勇ましいことを主張するタカ派っていうのはいるものです。彼らは声高に相手国を悪し様に口汚く批判し、強硬な政策を主張します。ボルトン大統領補佐官がその典型です。ボルトンは、大した根拠もなく彼の曲がった信念で行動してますが、米国の国会議員にもイランに戦って勝てるのだから開戦すべしという論調(※6月13日のFOXニュースにてイリノイ州選出のアダム・キンジンガー下院議員)があることには閉口です。他方、イランにはこのタカ派の勢力がかなりの%を占めて存在します。時に、この声なき声が時代のうねりを作ることがあり、国家を転覆させたり戦争へぐいぐい牽引したりするのも事実。イラン革命とはまさにその典型でしたから。
  
  では、もし戦端が開かれてしまったらどうなるか?戦って勝つ議論をする頭の悪い奴が米国にもいますが、イラン対米国の軍事衝突が始まると、局地的では済まなくなるのは間違いないでしょう。1990年のイラクのクウェート侵攻に対する湾岸戦争の時のような、欧米アラブ連合軍対イラクのような大同団結にはなりません。米国対イラン、せいぜい米国・サウジ対イランの戦い。軍事常識から言えば、局地的に戦力を集中して短期決戦で、決定的な緊要地形を奪取するとか、敵の戦力の中心的存在となる部隊や指揮官を撃破するとか、所謂center of gravity(戦力重心)を落とすことが肝要です。しかし、ここ中東、なかんづくイランが相手では、イラク・アフガン戦争以上の苦戦を強いられるでしょう。
  米軍の戦い方としては、努めて陸上戦闘を避け、あるとしても特殊部隊による限定的なもののみにして、海戦・空戦主体でイラン海軍・空軍の槍先部隊・施設だけ撃破して数カ月はまともに戦えないようにして勝利宣言を一方的にして離脱することです。地上戦なんかに持ち込むと泥沼になります。イランは底力のある国で、教育水準も民度もプライドも高く、もし地上戦になればベトナム、アフガン、イラクのように頑強に抵抗し、米軍が駐留して安定下作戦なんかしようものなら泥沼化は必至です。
  他方、イラン軍も相当な一矢も二矢も報いるでしょう。イランは戦争をホルムズ海峡局地戦から中東地域全体の戦域レベルに引き上げるでしょう。具体的にはサウジやイスラエルをミサイル攻撃で巻き込むでしょう。中東のあちこちのシーア派過激派勢力がわざと戦線を拡大するためのテロを起こすでしょう。ここで、やられたら必ずやりかえすイスラエルが参戦すると、イランの思う壷。サウジも当然参戦しますが、サウジがイスラエルと共同戦線を張ることになると、他のアラブ国はイスラエルとは共同宣戦しないどころか、共に天を戴かずという許されざる敵ですから、反サウジの国際的な動きやテロも始まり、状況は混沌化。
  世界経済への影響も甚大でしょうね。場所が場所ですよね。狭くてホルムズ海峡、広がればペルシャ湾どころか地中海東部スエズ運河~アデン湾~ソマリア沖は巻き込むでしょう。原油の話にとどまらず世界の貿易の海上輸送航路の大きな基幹航路が断たれます。状況は混沌、カオスですよ。だからいわんことじゃない、やらなきゃよかった・・・と米国は後悔することになります。
 
  ホルムズ海峡での戦争は、避けるべき事態であることに間違いありません。だから、トランプ政権には、無用の緊張を高めないよう慎重にやってもらいたいですね。その意味では、安倍さんのイラン訪問は日本外交久々のヒットですよ。日本のアホなマスコミはやっかみ半分で評価しませんが、曲者イランの超堅物ハメネイ師が「安倍首相(日本)とは話をする」と言ったことの意義は実は大きいのです。「トランプ大統領(米国)とは何も話すことはない」の一方でそう言ったのですから、日本を仲介として交渉しても良いと言ったに等しいのです。まぁ、勿論のことイランも曲者ですから、仲介の任はトランプにもハメネイ師にも苦汁を飲まされることでしょう。道は険しいですが、努めて軍事衝突に至らない形で事態を打開したいものです。ドローン撃墜事件のように何かをキッカケにオッ始まってしまう前に。

(了) 


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