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2019/06/25

風雲急を告げるイラン情勢

 6月21日(金)、トランプ米大統領は先日のホルムズ海峡における米無人偵察機撃墜の報復攻撃の断念を発表しましたが、そのサイドストーリーとして訪英した際に米国寄りの態度を取るように英国とアンダーでしっかりと握ってきたこと、イランにサイバー攻撃をしていたこと、週が明けてイランへの最後通牒ともとれる厳しい追加制裁を打ったこと、などなど、風雲急を告げてきましたね。加えて、米国の報復攻撃断念を受けてのサウジの苛立ちについて、お伝えします。
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U.S. Secretary of State Mike Pompeo greets Saudi Arabia's King at Al-Salam Palace in Jeddah, June 24, 2019. (2019年6月24日(月)VOA記事「Pompeo Meets Saudi King, Crown Prince on Iran」より)

<ポイント>
① 6/20(木)に米国のサイバー部隊がイラン軍のコンピュータシステムに対しサイバー攻撃を実施。攻撃は大統領命令により、攻撃目標はイラン革命防衛隊のミサイルやロケットの射撃統制の指揮統制システムであった模様
(2019年6月24日(月)付VOA記事「Sources: US struck Iranian Military Computers This Week」より)

② 英国は、6月中旬のトランプ米大統領の訪英及びイランの最近の攻撃的な態度を受け、対イラン強硬路線を取る米国の立場に理解を示し、より米国に近い態度を取るように軌道修正した模様。英国民の大多数が、昨年(2018年)の米国の核合意からの離脱決定に批判的であったが、昨今のイランのホルムズ海峡での敵対的態度や核武装への飽くなき野望、等の情勢に鑑み、姿勢を取り直したものと思われる。
(2019年6月24日(月)付VOA記事「Britain Sharpens Tone Towards Iran」より)

③ 米国が6月24日(月)に明らかにしたイランに対する追加制裁は、イランの最高権力者ハメネイ師をはじめ軍部指揮官を狙い撃ちに。イラン外務省のスポークスマン曰く、高まる緊張を緩和するための外交的方向性を全て封じる最後通牒のよう、と酷評。
(2019年6月24日(月)付VOA記事「Trump Imposes New Iran Sanctions, Targeting its Supreme Leader」より)

④ 6月24日(月)、ポンペイオ米国務長官はサウジを訪問し、サルマン国王やムハンマド皇太子と接見。しかし、会食の場所が王宮ではなく地方のレストランであったこと、また、皇太子との接見では国務長官が待たされた場面も。これが意味するものは、先日の米無人偵察機がイランにより撃墜されたことへの報復攻撃をトランプ米大統領が断念したに対し、サウジが苛立ちを露わにしている模様。ポンペイオ国務長官がサウジ訪問の直前に訪問した地UAEでは、これと対照的な歓待を受けている。UAEはイランに対してもことを構えず、むしろビジネス重視の外交を進めており、これらサウジ以外の湾岸諸国が対イランで寛容な姿勢をとり、なおかつ米国の報復断念にも理解を示す現実的路線をとっていることが、余計にサウジの苛立ちを掻き立てている模様。
(2019年6月24日(月)VOA記事「Pompeo Meets Saudi King, Crown Prince on Iran」より)

<私見ながら>
○ トランプ大統領は、決して戦争は望んでいないと私も思いますが、外交的に求める終着点が見えませんね。腹の中ではイランの弱体化が目標だとは思いますが、イランに対して「弱くなれ」とは要求しませんよね。具体的な要求は、「核兵器(ミサイル含む)の開発の放棄」と「国外のシーア派テロ勢力への支援の放棄」になりますか。国連で臨時の安保理を招集して協議するようですが、もともと国連を信用していない人なので、これは国際社会と協議した結果こういう姿勢で行くのだ、というポーズです。話し合おうとしているにしては、話す気のない制裁の課し方ですよね。この辺が、この人のこれまでの常識的大統領達と根本的に違うところです。何がしたいんですかね。本当は戦争がしたいというなら、もっと分かり易いのですが。(それはそれで馬鹿野郎ですけど)
  こんな状況では仲介しづらいですが、仲介できるのは日本の安倍さんしかいないかもしれませんよ。ここまで来たら、イランは絶対米国とは2国間交渉はしないでしょうね。欧州という手もありますが、米国と近すぎて英国は無理でしょうね。仏か独かならあり得ますが、今のレイムダックになったメルケルさんには無理でしょう。仏のマクロン大統領くらいですかね。或いは中国の習総書記。でも米国・イラン両者に信を置かれているのは日本でしょう。別に安倍さんをよいしょするつもりは毛頭なく、真剣に誰かが仲介しないと本当に行くところまで行ってしまいますよ。

(了)

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