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2019/08/29

G7の棚からボタ餅、イラン問題に光明か?


 今回の仏ビアリッツでのG7は、始まる前から成果が期待されないサミットでしたが、あにはからんや、イラン問題ではトランプ米大統領とイランのロウハニ大統領との会談の可能性も出てくるなど、棚からボタ餅が落ちてきたサミットとなりました。まだ予断を許さないところはありますが、これまで全く進展がなかったイラン問題に一筋の光明が射した感がありますね。
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FILE - U.S. President Donald Trump, left, and French President Emmanuel Macron shake hands after their joint press conference at the G-7 summit, in Biarritz, France, Aug. 26, 2019. (2019年8月28日付VOA記事「Trump Talks Up Credit Line for Iran, But No Sign of Imminent Policy Change」より)


<状況>
① 仏のビアリッツで8/24(土)〜26(月)の3日間の日程で開催されたG7サミットは、首脳宣言に代えてマクロン仏大統領が成果文書を発表して無事閉幕。開幕前から危ぶまれた成果も、それなりに今後の進展が期待できる方向性を見せた。

② イラン問題に関してG7各国首脳は、イランは核兵器を保有すべきでないこと、中東地域の安定を支援すべきであること、という2点で同意できた。

③ 2019年8月28日付VOA記事「US, Iran Deny They Want to Heighten Tensions」によれば、マクロン仏大統領は26日に、米国とイランの緊張緩和のため、トランプ米大統領とロウハニイラン大統領との会談に向けた慎重なステップを踏んでおり、会談が実現すれば仏は他の核合意締結国と共に役割を果たす、と述べ、仲介役としての成果を明らかにした。

<私見ながら>
◯ マクロンの外交手腕に拍手
  マクロンは大したものですね。立派!始まる前から「前回のサミットと同様に今回もダメだろう、G7サミットの成果は形にならない、トランプはサミットに行きたくないと側近に言った‥」などとマスコミに酷評されながら、立派にサミットの成果を上げました。貿易問題をはじめ、イラン、ウクライナ、リビア、香港の諸問題に対し、各国首脳の総意としてのそれなりの言及をしています。イラン問題でも、G7のホストであるマクロン仏大統領のイニシアチブで、サプライズでイランのザリーフ外相を招いたことも力量ですね。

◯ 真っ暗闇だったイラン問題に一筋の光明
  私はてっきり、 もはや米国は対イランでは緊張緩和のための外交努力をする気はなく(ポーズはともかく)、マクロン仏大統領の努力は可哀想だが無駄になると思っていました。マクロンさんはイラン問題の仲介役を積極的に演じようとするでしょうが、トランプ米大統領がイラン問題では妥協の余地なく、対イラン包囲網を訴えるだろうと予想していました。そしてその対イラン包囲網の具体策として、有志連合への参加推奨をサミットの議題にあげるであろう、と読んでいました。いい意味で裏切られて良かったです。
  真っ暗闇に見えたイラン問題の外交努力に、今回のサミットを契機に一筋の光明が指したようです。

◯ しかし米国-イラン首脳会談実現には課題が山積
  前掲のVOA記事に曰く、トランプ米大統領は「(首脳会談ができれば)非常に良いチャンス」としつつも、首脳会談の条件として、イランは軍事的な手段をもっての国外における緊張を高めないことを上げています。また、会談でのnew dealとして、イランの核開発及び弾道弾発射実験を禁じ、有効期限も2015年の核合意がうたった10年というスパンより長くする模様です。
他方、ロウハニイラン大統領は、会談を持ちたいのであれば、その第一歩として「不法で不正で不公正な」全ての対イラン経済制裁を取り下げろ、と述べている模様。
  これでは、もう会談実現は無理そうな気配ですね。しかし、それでも取り付く島が全くないよりはマシです。トランプという男は、北朝鮮との会談でも見せたように、たまにビックリする程の「君子豹変す」そのものの柔軟性を見せますからね。アラブの商人のように、初めはアホかと言うくらい吹っかけてきて、その実、堅実な線で握手するかもしれません。
  まぁ、トランプの常套句の”We’ll see.”「まぁ、お手並み拝見と行こうか」ですね。

(了)


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