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2019/09/04

緊張緩和のハードルを自ら上げるイランと米国

緊張緩和のハードルを自ら上げる米イラン

  2019年8月下旬のG7で、やっとのことで米国とイランの交渉の可能性が出てきたことで、欧州諸国はじめ関係国は祈るような思いで先行きを注視していたことと思います。しかし、またしてもイランの煮ても焼いても食えないお国柄が、自らそのハードルを引き上げる態度を取っています。「米国は経済制裁を取り下げよ!」、「欧州諸国がイランの原油輸出及び代価獲得の保証をしろ。さもなくば、核合意からの更なる強力な後退をするぞ!」と要求しています。出口への光明が射したのも束の間、イランには妥協の余地がないようです。
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In this photo released by the official website of the office of the Iranian Presidency, President Hassan Rouhani speaks in a ceremony in Tehran, Iran, Tuesday, Aug. 27, 2019. (2019年9月3日付VOA記事「Rouhani Rules Out Bilateral US Talks」より)

<状況>
① 2019年9月3日付VOA記事「Rouhani Rules Out Bilateral US Talks」によれば、イランのロウハニ大統領は8月27日(火)に、米国が核合意離脱以降にイランに課してきた全ての経済制裁を取り下げない限り、米国との交渉はしない、との方針を明らかにした。

② 同じく2019年9月2日付VOA記事「Iran Pledges 'Strong Step' Back From Nuclear Deal Unless Europe Helps」によれば、イランのアリ・ラビエイ報道官は9月2日(月)、欧州諸国は米国の経済制裁を回避するイランの原油輸出を確保せよ、さもなくば更なる核合意からの強力なステップに踏み切る、と今週金曜を期限に要求した。

③ 同じく2019年9月3日付VOA記事「US Imposes Sanctions on Iran Space Agencies」によれば、ポンペイオ米国務長官は、米国はイラン当局の弾道弾開発の進展を助長するイランの民間宇宙機関に対し制裁を課す、旨の発表した。

<私見ながら>
◯ せっかく、緊張緩和の光明が見えた、と思ったのに、やっぱり米国-イランともに「バカの壁」があって、まだまだ直接交渉の道は先が見えない状況ですね。イランも頑なな姿勢を崩さないし、米国も強硬姿勢を崩さない状況ですね。イランのアル・ラビエイ報道官の「Iran's oil should be bought and its money should be accessible to return to Iran.(イランの原油は買われなければならず、その代価はイランに戻ってくるよう入手可能でなければならない。)」という口調を見ると、「日暮れなんとして、道尚遠し」の感慨にたそがれてしまいそうです。

◯ トランプは、イラン政権をなきものにするまで本気でやる気なのかもしれませんね。イランも一言居士なので、米国が一歩も退く気がないのなら売られたケンカは買うお国柄です。誰も望んではいませんが、この調子では戦争は不可避なのかもしれません。
  そうなると、バカ同志のケンカは「止めてもムダならもう勝手にしろよ!」という形にならざるを得ません。そこから先は、日本にとってのエネルギー安保の懸念を如何に局限するか、我が身を守ることを考えねばなりません。
  2019年8月31日付産経新聞に「エネルギーミックスで中東リスクに備えを」という記事が載り、輸入原油の87%、液化天然ガス(LNG)の22%を中東に依存する日本のエネルギー安保を憂い、原子力の早期再稼働の必要性を論じていました。再生エネルギーが、まだまだ安定的なベース電源たり得ない以上、そして日本国民がもはや電気なしでは生活できない電化生活になっている以上、単に原子力に対する情緒的反発ではなく、自分の問題として真剣に考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。

(了)


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