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2019/10/18

トルコが停戦に合意! エルドアンの深謀遠慮


 トルコのエルドアン大統領がトルコが遂に停戦合意しましたね。
 2019年10月17日付VOA記事「Turkey Agrees to Halt in Offensive on Kurdish Fighters in Northern Syria」が以下のように報じています。

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エルドアン大統領-ペンス米副大統領会談(2019年10月17日付VOA記事「Turkey Agrees to Halt in Offensive on Kurdish Fighters in Northern Syria」より)

<状況>
 ① トルコのエルドアン大統領は、ペンス米副大統領との延長した会談の後、120時間の一時停戦に合意した。この時限停戦は、クルド人武装勢力にトルコとの国境30キロ幅の緩衝地帯以南に下がる時間的猶予を与えるもの。

 ② ペンス米副大統領によれば、米国とトルコは、領地に関することと両国のIS勢力との対テロ作戦における協調関係の維持についての和平交渉を持つことに合意。これを受け、トランプ米大統領はこの停戦合意によりトルコに対する経済制裁は必要がなくなった旨、述べた。

③ トランプ米大統領はツイッターにて米国の外交努力を自画自賛
  「This deal could NEVER have been made 3 days ago. There needed to be some “tough” love in order to get it done. Great for everybody. Proud of all! 」(= この取引は、3日前にはあり得なかった。成果を得るにはタフな愛が必要だったのだ。交渉に関わった各位の努力を誇りに思う。)
  他にも、「大統領というものは、民主党・共和党両議員達から批判にあうものだが、トランプ大統領(自分で自分を評して)は敢えて米軍の撤退を宣言したのだ。」などなど。

④ トランプ米大統領は、撤退後のトルコのクルド人勢力への攻撃を懸念して、エルドアン大統領に「バカな真似はやめるべきだ。」と書簡を送付した。トルコからの情報ではエルドアン大統領はトランプ大統領からの書簡をゴミ箱に捨てたという。

<私見ながら>
◯ 結局エルドアン大統領も自制へ
  いやー、めでたしめでたし、です。
  トランプの自画自賛は笑い話のようですが、珍しくpeace-makerとして機能したので、まぁ評価できますね。
米国の課した経済制裁が致命的であったかはわかりませんが、国際的な批判にさらされたトルコとしては、ここらが潮時だったかもしれません。自ら主張するところはPRもできたことだし、実質的にトルコの獅子身中の虫だったクルド人勢力と、その家族のクルド人と、ISの囚人達と、そしてシリアからの何百万人もの難民達を、概ねシリア側に追い出すことができ、一定の成果を得て作戦終了というところでしょうか。

◯ エルドアン大統領の深謀遠慮?
  深読みすると、エルドアン大統領の読みの通りにことが進んだのかもしれませんね。
エルドアン大統領は、トランプ米大統領が早いところシリアから米軍を撤収したいことを知り、米軍が撤収するのを待ち、撤収後電撃的にシリア侵攻作戦を開始。クルド勢力の討伐と追い出し、ISの残党の追い出し、シリア難民の追い出し、という国家としての懸案が100%でないにしても大方達成したわけです。国内世論からは、支持されることすらあれ、早すぎるとは非難されないでしょう。シリア侵攻-クルド討伐作戦は、開始した瞬間から国際的批判を浴びることは分かっていたはずです。国民世論を後押しに侵攻-討伐し、国際的批判に対しては一歩も怯むことなく、トルコの国内的論理を大統領が代弁する。そりゃあ、国民世論はヤンヤの喝采でしょうよ。ギリギリ潮時まで突っ張って、米国の仲介の顔を立てて停戦に応じる。しかも条件は、憎きクルド人勢力を国境の、更に緩衝地帯以南に、追い出すこと。
  エルドアン、抜け目のない奴ですね。

(了)


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