FC2ブログ
2019/12/12

北朝鮮:ミサイル実験で自信深め挑発攻勢

2019年12月になって5日に短距離ミサイル発射実験、7日にもエンジンの燃焼実験を実施した模様。弾道ミサイル開発の自信を公言するとともに、交渉の行き詰まりを見せる米国に対して苛立ちと挑発をぶちかましています。
しかし、この挑発攻勢は危険きわまりない。遂にはトランプの逆鱗に触れ、一触即発の事態になる可能性も……。


◯エンジン燃焼実験で自信深めたか
カギは12月7日のエンジン燃焼実験。今回のエンジン燃焼実験というのは、発射前に注入する必要がある液体燃料ではなく、セットすればいつでも即発射できる固体燃料によるエンジンの燃焼状況のテストだったと推測されています。
北朝鮮は、既に固体燃料は開発していたものの、米国に届くICBM(大陸間弾道弾)のような長射程は開発途上だったようです。
ご承知のように、弾道ミサイルというものは遠投と同様、推進力は初めだけで、あとは放物線を描いて落ちていくものです。遠くに投げるためには高く投げる必要があります。弾道ミサイルでは、大気圏を越えるまでロケットエンジンは噴射し、大気圏を出て頂点に達して推進力だったロケット部分を切り離し、弾頭部分だけに軽くなって目標に向けて落下していきます。目標に正確に命中させるためには、まだロケットエンジンで推進している段階で、衛星によるナビゲーションにて、数個の噴射口の微妙な調整で方向を微調整します。液体燃料は発射前の注入が必要なため、偵察衛生等で発射前の注入作業で兆候を気付かれてしまう欠点がありますが、その反面、液体ゆえにミサイルの方向制御がしやすいことが長所です。固体燃料は発射前に発射準備を察知されることはないことが長所ですが、実は方向制御が固体ゆえに難しく、長射程で正確に目標の方向に制御することが非常に難しい技術となります。それを今回の燃焼実験で技術的にクリアしたようで、今回の実験で真に自信を深めた模様です。よほどの技術的ブレイクスルーができたようで、その成功の高揚感が、今回の一連の挑発攻勢から見え隠れしています。

◯挑発攻勢の危険性
よほど嬉しかったのでしょう、相当な自信が起爆剤となったのか、相当な勢いで挑発攻勢をかけています。実験の翌日12月7日に、北朝鮮の国連大使は「米国との長い協議はもはや必要ない。非核化は既に交渉のテーブルには乗っていない」とまで発言。今回の実験で得た戦略核戦力のほじについての自信を誇示しています。米国との非核化交渉についても、「(米国自身の)内政課題のために朝米対話を利用する時間稼ぎの策略」とまで言って朝米交渉自体を否定する始末。
しかし、この挑発はいかにも危なっかしい。トランプ米大統領が今のところ珍しく大人の対応をしていますが、さすがにカチンときているようです。トランプ米大統領のツイッター発言にも、その苛立ちが現れています。
Kim Jong Un is too smart and has far too much to lose, everything actually, if he acts in a hostile way. He signed a strong Denuclearization Agreement with me in Singapore. He does not want to void his special relationship with the President of the United States ......
「苛立ち」で済んでいるうちに、つばぜり合いを超えないうちに、笑顔で交渉に入ってもらいたいところです。米国が本気で激怒すると、イラク・アフガニスタンのような徹底的な撲滅に至ります。

(了)

にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村

国際政治・外交ランキング
20191212142137936.jpeg
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント