北朝鮮はX’マスギフト=ドッキリ発射をするか?
12月20日付VOA記事(※)によれば、米国政府は北朝鮮がクリスマスギフト(ミサイル発射実験など)をするのではないか?と北朝鮮の動向を注視している模様。あり得る話であり、先般のエンジン燃焼実験で自信を深めた北朝鮮が勇み足をすることは十分考えられる。
しかし、その勇み足がトランプの逆鱗に触れて取り返しのつかない事態になることも。北朝鮮の自重を祈るしかない。
※ 2019年12月20日付VOA記事「US Watching North Korea for 'Christmas Gift' Missile Launch」

VOA 2019年12月13日付記事「Pentagon Tests Long-Banned Ballistic Missile Over Pacific」より
<状況>
米国は、北朝鮮が先般の固体燃料によるエンジン燃焼テストで核ミサイル開発成功に自信を深めたものと見ている。北朝鮮は、自ら一方的に設定した「今年中」という交渉期限が切れることを米国政府に対して警告してきた。何もせずに期限切れを見過ごすとも思えない。米国本土に直接届く大陸間弾道ミサイルICBMをすでに開発し、動きに気付かれずに発射できる固体燃料でのエンジン燃焼実験にも成功。加えて、北朝鮮は既に、どこかの海の底に隠れて報復第2撃を担保する潜水艦発射弾道ミサイルSLBMも開発成功した、と主張している。まだ不確かではあるものの、これは北朝鮮が戦略核抑止力をすでに持ったことを意味する。
<私見ながら>
◯ 十分考えられること
期限切れを警告していた北朝鮮が、米国や関係国に対し期限切れを戒めるペナルティーとして何らかの行動をとることは十分に考えられる。これが、いつもの日本海の域を出ないものなら(日本の経済専管水域に入ろうが)大事に至りませんが、これが本当にドッキリ・ビックリの発射であったら、これは大事(おおごと)です。例えば、固体燃料満載で、日本列島越しの大気圏越えロフテッド軌道で長射程の弾道ミサイル発射実験をするとか、グアム島の近海に弾頭部が到達落下するとか、或いは、潜水艦発射弾道ミサイルを発射し太平洋上に到達・落下させるとか。悲しいかな、これは十分に考えられるオプションです。
北朝鮮の行動も、まだ開発途上の数年前までは、実は米国への言葉の挑発はあっても、実は割と慎重でした。これも12月7日のエンジン燃焼実験で自信を深めたことで、大きく出てくるかもしれない、それも十分あり得る、と懸念しています。
◯ 勇み足は限度が過ぎると命取り
もし、こんなドッキリ発射があったら、米国政府も日本政府も防衛省もマスコミも、蜂の巣を突つく大騒ぎになるでしょう。トランプ大統領は面目をつぶされて、さすがに今回は激怒するでしょう。なぜなら、これまでトランプ大統領にしては上出来なほど、北朝鮮の挑発的なミサイル発射実験などに寛大なコメントをし、何とか非核化を進めようと根気よくやってきたつもりだと思います。それがなめられたとあっては、これまで腹では怒っていても表面上は我慢してきたトランプ大統領も、堪忍袋の緒が切れるでしょう。しかし、怒ったとしても、例えば日本列島越えくらいなら、日本人にとっては大騒ぎであっても、米国民が脅かされない限り、トランプの怒りは想定内であり、怒ったポーズであろうと思います。ところが、もし、グアム島やハワイなどの近海に落下するなど、米国民が住む土地を脅かすような場合は、激怒どころか逆鱗に触れます。それこそ「Fire and Fury」の世界。本当に怒ったら何をするかわからない男ですから。ご本人の性格はともかく、軍の態勢は恐らく一触即発の臨戦態勢に入るでしょう。在韓米軍は最高度の臨戦態勢、沖縄、三沢は勿論、グアムやハワイの海空軍や、果ては本土の戦闘機や爆撃機がオンアラートへ。空母も極東正面へ集まって来る。恐らく、サイバー攻撃もやるでしょうね。来年の選挙への「強い大統領」アピールもありますし、本当に実力行使に出るかもしれません。
まだ、いつもの短射程のロケットを発射し日本海に到達・落下というものなら「やりやがったな」とニガ笑いで済みます。祈っても効き目はないでしょうが、北朝鮮の自重を祈るばかりです。
(了)


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しかし、その勇み足がトランプの逆鱗に触れて取り返しのつかない事態になることも。北朝鮮の自重を祈るしかない。
※ 2019年12月20日付VOA記事「US Watching North Korea for 'Christmas Gift' Missile Launch」

VOA 2019年12月13日付記事「Pentagon Tests Long-Banned Ballistic Missile Over Pacific」より
<状況>
米国は、北朝鮮が先般の固体燃料によるエンジン燃焼テストで核ミサイル開発成功に自信を深めたものと見ている。北朝鮮は、自ら一方的に設定した「今年中」という交渉期限が切れることを米国政府に対して警告してきた。何もせずに期限切れを見過ごすとも思えない。米国本土に直接届く大陸間弾道ミサイルICBMをすでに開発し、動きに気付かれずに発射できる固体燃料でのエンジン燃焼実験にも成功。加えて、北朝鮮は既に、どこかの海の底に隠れて報復第2撃を担保する潜水艦発射弾道ミサイルSLBMも開発成功した、と主張している。まだ不確かではあるものの、これは北朝鮮が戦略核抑止力をすでに持ったことを意味する。
<私見ながら>
◯ 十分考えられること
期限切れを警告していた北朝鮮が、米国や関係国に対し期限切れを戒めるペナルティーとして何らかの行動をとることは十分に考えられる。これが、いつもの日本海の域を出ないものなら(日本の経済専管水域に入ろうが)大事に至りませんが、これが本当にドッキリ・ビックリの発射であったら、これは大事(おおごと)です。例えば、固体燃料満載で、日本列島越しの大気圏越えロフテッド軌道で長射程の弾道ミサイル発射実験をするとか、グアム島の近海に弾頭部が到達落下するとか、或いは、潜水艦発射弾道ミサイルを発射し太平洋上に到達・落下させるとか。悲しいかな、これは十分に考えられるオプションです。
北朝鮮の行動も、まだ開発途上の数年前までは、実は米国への言葉の挑発はあっても、実は割と慎重でした。これも12月7日のエンジン燃焼実験で自信を深めたことで、大きく出てくるかもしれない、それも十分あり得る、と懸念しています。
◯ 勇み足は限度が過ぎると命取り
もし、こんなドッキリ発射があったら、米国政府も日本政府も防衛省もマスコミも、蜂の巣を突つく大騒ぎになるでしょう。トランプ大統領は面目をつぶされて、さすがに今回は激怒するでしょう。なぜなら、これまでトランプ大統領にしては上出来なほど、北朝鮮の挑発的なミサイル発射実験などに寛大なコメントをし、何とか非核化を進めようと根気よくやってきたつもりだと思います。それがなめられたとあっては、これまで腹では怒っていても表面上は我慢してきたトランプ大統領も、堪忍袋の緒が切れるでしょう。しかし、怒ったとしても、例えば日本列島越えくらいなら、日本人にとっては大騒ぎであっても、米国民が脅かされない限り、トランプの怒りは想定内であり、怒ったポーズであろうと思います。ところが、もし、グアム島やハワイなどの近海に落下するなど、米国民が住む土地を脅かすような場合は、激怒どころか逆鱗に触れます。それこそ「Fire and Fury」の世界。本当に怒ったら何をするかわからない男ですから。ご本人の性格はともかく、軍の態勢は恐らく一触即発の臨戦態勢に入るでしょう。在韓米軍は最高度の臨戦態勢、沖縄、三沢は勿論、グアムやハワイの海空軍や、果ては本土の戦闘機や爆撃機がオンアラートへ。空母も極東正面へ集まって来る。恐らく、サイバー攻撃もやるでしょうね。来年の選挙への「強い大統領」アピールもありますし、本当に実力行使に出るかもしれません。
まだ、いつもの短射程のロケットを発射し日本海に到達・落下というものなら「やりやがったな」とニガ笑いで済みます。祈っても効き目はないでしょうが、北朝鮮の自重を祈るばかりです。
(了)


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