FC2ブログ
2020/01/13

イランの反政府デモで調子に乗るべからず

 ウクライナ旅客機を誤って撃墜したことを発表したイラン政府に対し、当初全面否定していたことも災いして、イランの市民が猛反発し反政府デモが各地で起きている。昨年11月の石油価格急騰の際の反政府デモと同様、明確に反イラン革命防衛隊、反現政権、反ハメネイ師のスローガンさえ出ている模様。トランプ米大統領はこれを好機と捉え、デモ参加者を支持しラブコールするとともに、イラン政府にはデモへの弾圧を牽制した。
 (※ 2020年1月12日付VOA記事「New Protests Erupt in Iran Аfter Military Admits Shooting Down Plane」より。下の写真も本記事より。)
afp_iran_woman.jpg
Image Description A picture taken in Tehran on Jan. 12, 2020, shows local newspapers carrying headlines such as: 'National Mourning', 'Apologize, Resign', 'Unforgivable', 'Great Disaster'... concerning the downed Ukrainian jetliner last week.

 私見ながら、以下3点を危惧しています。
① 反政府デモが起きること自体は健全であり民主主義的には吉報だが、国際情勢の現実主義から見ればタイミング的にイラン崩壊の危険信号。
② トランプ米大統領のデモ支持やイラン政府の弾圧牽制の発言は蛇足。
③ 米国は調子に乗って、交渉が可能な穏健派ロウハニ大統領を倒すべからず。現実を知らない宗派的ナショナリズムで凝り固まった強硬派が政権についたらイラン情勢は益々混迷する。更にイラン国内の内戦化を招く。

 特に、③について心配ですね。
 米国政府がこの機に乗じて、反政府デモ側を殊更に支援し始め、CIAなどの工作なども使って政権打倒や国家の転覆を企図するなんてことにならないように国際社会に注視してもらいたいところです。既に、トランプ米大統領だけならまだしも、ポンペイオ国務長官やブライアン・フック米国政府イラン政策特別代表がtwitterで調子に乗ったトランプと同様のコメントを載せているのが忌々しい。一国の政府がそういう頭の悪いコメントを発するべきではない。それが米国の現政権のレベルの低さ品性のなさを露呈していると気づいていないらしい。
(※ トランプ大統領のtwitter:https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1216356280933273600?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1216356280933273600&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.voanews.com%2Fmiddle-east%2Fvoa-news-iran%2Fnew-protests-erupt-iran-after-military-admits-shooting-down-plane
   ポンペイオ国務長官のtwitter: https://twitter.com/SecPompeo/status/1216064377444618240?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1216064377444618240&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.voanews.com%2Fmiddle-east%2Fvoa-news-iran%2Ftrump-tweets-support-farsi-iranian-protesters
   ブライアン・フックのtwitter: https://twitter.com/statedept/status/1202384022095245312 )

 米国内に、この機に乗じて現政権を打倒し、米国企業が参入し易い親米民主政権の樹立を夢見るバカがいるが、イラクやアフガンを見るべし。絶対に米国が望むような親米民主主義国家なんて実現しないのが分からないらしい。特に、反米を国是として教育されてきたイランだよ。シーア派過激組織は瓦解せず、残党が跋扈することになるのが落ち。更なる中東の混迷を招くだけ。特に、石油街道のチョークポイントを握るイランが政情不安になったら国際経済に百害あって一利なし。

(了)

にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村

国際政治・外交ランキング
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント